ヨガにはどんな効果があるのでしょうか?ヨガを正しい方法で行うことで、身体や心に与える影響を解説します。またヨガの効果を効率的に引き出すためのヒントや注意点についても紹介。この記事を読んで、あなたもヨガの素晴らしい効果を体感してみませんか?
この記事の目次
ヨガとは?
「ヨガ」の語源は古語であるサンスクリット語の「ユジュ」です。つながり、調和、バランス、統一などの意味があります。
ヨガは元々、幸せに生きることを目的とした哲学や瞑想が起源です。ヨガでは心と身体は繫がっていると考えられていて、ヨガの呼吸法やポーズには瞑想を深め、心身を調和・安定させる効果があると考えられています。日本ヨガ連盟では、ヨガをすることで以下のような異常を自分でコントロールし、修正できるとしています。(ヨガの目的と効果 | ヨガ:認定NPO法人日本ヨガ連盟 ヨガより)
- 姿勢と動作の異常
- 栄養の異常と過不足
- 欲望、感情の不均整と不安定
- 迷い、執着、誤解
- 生活(仕事、家庭、環境)の異常と無理
- 筋肉、内臓、神経、骨格など身体の異常
ヨガの効果
ヨガの効果について、より具体的に解説します。主な効果は以下の7つです。
- 筋力や柔軟性の向上
- 血行の促進
- 呼吸法の改善
- ストレスや不安の解消
- 集中力や記憶力の向上
- 姿勢の改善
- ダイエット効果
筋力や柔軟性の向上
ヨガを行うことで、筋力や柔軟性の向上が見込めます。ヨガは、関節の可動域を大きくつかうポーズが多いため、筋肉がストレッチされて柔軟性が向上します。
柔軟性が高くないとできないポーズもあり、すべての種目ができるようになるには、体操選手並みの柔軟性が必要です。もちろん、難しいポーズができなくても効果は出ます。また、できなかったポーズができるようになると、モチベーションが高まります。
加えて、姿勢を維持するためには一定の筋力が必要です。とくに上級者向けのポーズをするには、体操選手並みの筋力が欠かせません。ヨガを続けることで、少しずつ筋力が向上していきます。
血行の促進
ヨガでは腹式呼吸を基本に、さまざまな呼吸法が行われます。ヨガではこの呼吸法で血行がよくなると考えられています。
また、筋肉が働くことも血行を促進するひとつの理由です。筋肉には血行を促進するポンプのような働きがあります。ヨガのさまざまなポーズによって全身の筋肉が働いて、血行を促進させられます。
とくに難しいポーズになると、筋力を発揮しないとバランスを取れません。難しいポーズになればなるほど、血行も促進されると考えられます。
呼吸法の改善
ヨガでは腹式呼吸を基本とした呼吸法を行います。呼吸がゆっくり深くなるため、副交感神経が活発になります。副交感神経は、身体を休ませるときに優位に働く神経です。逆に身体が活発に働くときは交感神経が優位に働きます。
ヨガの呼吸法により副交感神経が優位になることで、気持ちが落ち着いて穏やかになります。呼吸法を改善することで、心の安定につながるのです。
また、腹式呼吸では横隔膜が大きく動くため、内臓を刺激して便秘の解消にもつながると考えられています。
ストレスや不安の解消
ヨガは、ストレスや不安の解消も期待できます。とくに現代人は、日中は長時間働き、人間関係のストレスを抱え、夜も動画で刺激を受けるなど、心休まる時間があまりありません。
しかしヨガで呼吸と身体のポーズに意識を向けている間は、余計なことを考えず、無になることができます。また、腹式呼吸によって副交感神経を優位に働かせられるため、心が落ち着いてストレスや不安を解消できるでしょう。
さらに、ヨガはストレッチや体幹トレーニングに近いポーズが多いため、いい運動になります。運動不足解消につながるため、心身両面でストレスや不安を解消できます。
集中力や記憶力の向上
ヨガをしている間は、呼吸と身体の感覚に意識を集中させます。瞑想と同じく、常に意識を呼吸や身体の感覚に向けることで集中力が鍛えられます。
2017年に軽度の認知障害を持つ55歳以上を対象にした実験では、ヨガを行ったグループに記憶力の改善が見られたと報告されました。(参考:A randomized controlled trial of Kundalini yoga in mild cognitive impairment)
このように、ヨガは身体だけでなく脳にも良い影響を与えて、集中力や記憶力を向上させる可能性があります。
姿勢の改善
ヨガは関節の可動域を大きくつかったポーズをとるため、全身の筋肉をストレッチし、身体のゆがみをとることができます。
デスクワーク中心で、長時間椅子に座っている人は、筋肉が硬くなり身体がゆがみやすくなります。背骨が丸まって肩が凝ったりなど、身体のゆがみによって痛みが伴うと辛いですよね。
ヨガなら体幹も股関節もストレッチできます。硬くなっている筋肉を柔らかくして、全身のバランスを整えてゆがみを改善してくれるのです。そのため、姿勢がよくなり、生活が楽になります。
ダイエット効果
ヨガは運動ではあるものの、じっとしている時間が長いため、消費カロリーはあまり多くありません。しかし、ヨガを行っている人は性別問わず、スタイルが良いという印象はありませんか。
ヨガはインナーマッスルと呼ばれる腹横筋などの筋肉が鍛えられます。これらは内臓の周りにある筋肉で、鍛えるとお腹周りを引き締めることができます。
そのためヨガを行っている人は、お腹周りが引き締まっている人が多いのです。また、全身の筋肉を働かせるため、全身の筋肉を太らせずに引き締められます。
そして、身体の感覚がよくなり自制心が鍛えられることで、身体にいいものを好んで食べるようになると言われています。身体に悪い物を嫌うようになるのです。さらに、ストレスや不安が解消されることで、ストレスによる暴飲暴食を防ぐこともできます。
このようにヨガは、インナーマッスルを含む全身の筋肉が鍛えられ、食事も健康的になるため、ダイエットに効果的です。
ヨガはいつやるのが効果的?
ヨガを行うのは、朝か夜がおすすめです。朝に行うと血行が良くなり、心も落ち着くため、身体も心も良い状態で1日を過ごすことができます。また、筋肉が働くことで代謝が活発になります。
夜にヨガを行うメリットは、副交感神経が優位になり、睡眠の質を向上させられる点です。夜に行うことで、リラックスして入眠できます。寝付きが良くなり、睡眠も深くなるでしょう。
一方でヨガにも負荷の高いポーズがあります。こういったポーズのときは交感神経が優位になりやすいので、寝る前は避けて朝か昼に行いましょう。
しかし、「絶対に毎朝やる」などと無理をせずに、できる範囲で続けるようにしてください。短期間にたくさん行うよりも、長期間コツコツと続ける方が効果的です。
ヨガの効果を引き出すには?
ヨガの効果を引き出すためには、とくに「呼吸」が重要です。ヨガのポーズと呼吸、このふたつが伴うことで、ヨガの効果を得られます。
しかし、ヨガを始めたばかりのときは、正しいポーズをとることに必死で、呼吸が乱れたり通常の呼吸になってしまったりしがちです。
最初にうまくできないのは仕方ありません、少しずつ呼吸を意識するようにしましょう。ポーズが上達すれば呼吸をより意識できるようになるため、自然とうまくなりますよ。
呼吸は、4秒かけてゆっくり鼻から吸って、口から8秒かけて細く吐きます。とくに8秒かけて息を吐くのは、はじめての人はどんどん苦しくなってきます。そこで、ヨガの前に瞑想で呼吸を練習しておくのも有効です。
ポーズをとらなければ呼吸の上達に集中できますし、瞑想にも心の安定やストレス解消などの効果があります。ポーズしながらの呼吸をあまりできない方は、瞑想から始めてみてください。
ヨガを行う際の注意点
食後にヨガを行うことは避けましょう。ヨガでは身体をねじったりうつ伏せになったりするポーズがあります。食後にそういったポーズを行うと、吐き気がしたり腹痛がしたりなど、体調に悪影響が出る場合があるのです。
また、食後は胃や腸などが活発に働くため、消化器官の血行が増えます。このときにヨガで全身の血行を活発化してしまうと、消化器官の血行が不十分になり、消化に悪影響を与える可能性があります。
十分に消化してから行うためには、食後2時間以上経ってからにしましょう。
ヨガの効果を引き出して健康な心身を作ろう!
ヨガには、筋力や柔軟性の向上、血行の促進、ストレスや不安の解消、集中力や記憶力の向上、姿勢の改善、ダイエットなど、さまざまな効果があります。
心と身体を整えたい方、ダイエットをしたい方など幅広い人に効果的です。YouTubeなどの動画を見ながら自宅でもできるので、ぜひヨガを始めてみてくださいね。ポーズをうまくできない場合は、インストラクターさんに教わるのもおすすめです。
※ 本記事は2023年4月5日時点の内容です。