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戸隠神社の魅力とは?境内の見どころやおすすめの参拝時期を紹介します

戸隠神社の魅力とは?境内の見どころやおすすめの参拝時期を紹介します

長野県の北部にある戸隠神社。日本神話とゆかりの深い神々をおまつりし、古来より大勢の人々の信仰を集めてきた聖地です。この記事では観光スポットとしても人気の高い戸隠神社と、その周辺の見どころについて紹介していきます。

戸隠神社とは

戸隠神社(とがくしじんじゃ)の見どころについて知る前に、まずは戸隠神社がどのようなところか、簡単に見ていきましょう。

日本神話にゆかりの深い神社

戸隠神社は、日本神話のなかにある「天岩戸開き神話」と深い関わりがあります。

天岩戸(あまのいわと)とは、天照大御神(あまてらすおおみかみ)が隠れたとされる洞窟のこと。太陽の神である天照大御神が隠れたことにより、世界は暗闇になり、さまざまな災厄が発生したといいます。これに困った神々は一計を案じ、天岩戸の前で楽しげに歌ったり踊ったりすることで天照大御神を連れ出すことに成功しました。

戸隠神社でおまつりされているのは、天岩戸の扉石を押し開いたとされる天手力雄命(あめのたぢからおのみこと)や、その弟の天表春命(あめのうわはるのみこと)、扉を開くアイデアを出した天八意思兼命(あめのやごころおもいかねのみこと)、天岩戸の前で踊りを踊った天鈿女命(あめのうずめのみこと)など、この神話で中心的な役割を果たした神様たちです。

なお「戸隠」という地名は、天手力雄命が放り投げた扉(岩戸)が下界に落ちて戸隠山になったことに由来する、という伝説もあります。

国内屈指のパワースポットとして人気

天岩戸開き神話のほかにも、戸隠神社の周辺エリアにはさまざまな伝承があります。

たとえば平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活躍した僧侶、西行法師(さいぎょうほうし)ゆかりの「西行桜」、女人禁制の場所に入って石に変わってしまった比丘尼(びくに。尼僧のこと)とされる「比丘尼石」、人魚を殺してしまった漁師が罪を償うために植えたと伝わる「三本杉」、などなど……。

これらのパワースポットをひと目見ようと、今も全国から大勢の参拝者や観光客が戸隠を訪れています。

戸隠神社の五社めぐり

戸隠神社は計5カ所の社殿で構成されています。これらすべてを巡ってお参りするのが「五社めぐり」です。なお五社めぐりの参拝順序に正式な決まりはないため、ここでは北から順番に紹介していきます。

奥社・九頭龍社

「奥社(おくしゃ)」は戸隠神社の本社にあたるお社です。ご祭神は天岩戸の扉を開いた天手力雄命(あめのたぢからおのみこと)で、心願成就や五穀豊熟などのご利益があるのだそう。力持ちの天手力雄命は、スポーツの神様ともいわれています

バス停や駐車場から奥社までは、約2kmの参道を歩きます。参道の途中には1710年に建造されたと伝わる朱塗りの随神門(ずいしんもん)や樹齢400年を超えるとされる杉並木などがあり、見ごたえたっぷりです。ただし奥社の手前はかなり勾配がきついため、足元には十分注意しましょう。

奥社のとなりには「九頭龍社(くずりゅうしゃ)」があります。九頭龍大神(くずりゅうおおかみ)と呼ばれるこの地の神様をまつったお社で、農業に欠かせない水を司る神様、また縁結びの神様、虫歯の神様としても有名です。

名称奥社(おくしゃ)・九頭龍社(くずりゅうしゃ)
所在地長野県長野市戸隠3690
開門時間9:00〜17:00 ※冬期は変更
閉殿期間1月7日~4月下旬
※冬期閉殿期間中の御朱印は中社にて受け付け(9:00~17:00)
アクセスアルピコ交通(JR長野駅より乗車):戸隠奥社入口下車 徒歩約40分
上信越自動車道:信濃町ICから車で約25分(駐車場から社殿まで徒歩約40分)
駐車場あり(約200台)
サイトhttps://www.togakushi-jinja.jp/allRound/#link04

中社

画像引用元:戸隠神社

五社の中ほどにあるのが「中社(ちゅうしゃ)」です。ご祭神は、歌や踊りで天岩戸の扉を開けさせることを考案した天八意思兼命(あめのやごころおもいかねのみこと)。知恵の神として信仰を集め、学業成就をはじめ、商売繁盛や開運、家内安全などのご利益があるとされています。ちなみに天八意思兼命は、天手力雄命・天表春命兄弟の親なんだそう。

中社の境内には、人魚伝説にまつわる樹齢約800年の三本杉、太々神楽(だいだいかぐら)の奉納が行われる神楽殿、戸隠信仰の資料を展示する青龍殿(宝物館)などがあります。

なお中社と、後で紹介する宝光社の周辺には多くの宿坊があり、長野市の「伝統的建造物群保存地区」に選定されています。

名称中社(ちゅうしゃ)
所在地長野県長野市戸隠中社3506
開門時間授与所:9:00〜17:00
アクセスアルピコ交通(JR長野駅より乗車):戸隠中社下車 徒歩約1分
上信越自動車道:信濃町ICから車で約30分
駐車場あり(約100台)
サイトhttps://www.togakushi-jinja.jp/allRound/#link03

火之御子社

画像引用元:戸隠神社

「火之御子社(ひのみこしゃ)」は、天鈿女命(あめのうずめのみこと)をおまつりするお社です。天鈿女命は天岩戸の前で舞を披露したことから舞楽芸能の神とされ、また舞によって天岩戸を開かせたことから開運の神様とも信じられています。芸能関係のご利益や縁結びのご利益があるとされていますが、舞を披露する際に火が焚かれていたことから火除けにもご利益があるそうです。

火之御子社の社殿は1884年に再建され、2005年に修復工事が行われました。約140年の歴史をもつ建物と、境内にある西行桜などの見どころが人気を集めています。なお駐車場は3台のみなので、満車のときは中社か宝光社に車を停めて、歩いて参拝しましょう。どちらの駐車場からも徒歩約10分程度です。

名称火之御子社(ひのみこしゃ)
所在地長野県長野市戸隠2412
開門時間要確認
アクセスアルピコ交通(JR長野駅より乗車):戸隠営業所下車 徒歩約5分
上信越自動車道:信濃町ICから車で約35分
駐車場あり(3台)
サイトhttps://www.togakushi-jinja.jp/allRound/#link02

宝光社

画像引用元:戸隠神社

五社のうち、一番南に位置する「宝光社(ほうこうしゃ)」。1861年に建立された社殿は現存する五社のなかで最も古いもので、見事な彫刻が目を引きます。ご祭神は天表春命(あめのうわはるのみこと)です。女性や子どもの守り神とされ、裁縫などの技芸上達や、安産や縁結びなどのご利益があるといわれています。

駐車場からは270段以上の石段を登るため、歩きやすい靴で参拝してください。

名称宝光社(ほうこうしゃ)
所在地長野県長野市戸隠宝光社2110
開門時間授与所:9:00〜17:00
アクセスアルピコ交通(JR長野駅より乗車):戸隠宝光社下車 徒歩約3分
上信越自動車道:信濃町ICから車で約35分
駐車場あり(約20台)
サイトhttps://www.togakushi-jinja.jp/allRound/#link01

戸隠神社のその他のみどころ

奥社参道並木(奥社の杜)

画像引用元:戸隠神社

「奥社参道並木」は、随神門から奥社に向かって約500メートル続く杉並木です。参道の左右には樹齢約400年とされるクマスギが200本以上も並び「奥社の杜」とも呼ばれています。

奥社参道並木から奥社までの一帯にこれほど立派な大木が残されているのは、江戸時代初期から竹木の伐採が厳禁とされていたため。杉をはじめ、ハルニレ、シナノキ、ブナ、トチ、オオヤマザクラ、ハンノキ、ミズナラ、モミ、イチイ、ウラジロなどが400年前と変わらない姿で生い茂る森は、1973年に長野県の天然記念物に指定されています。

太々神楽

画像引用元:戸隠神社

「太々神楽(だいだいかぐら)」は、戸隠神社に伝わる神楽です。八百万の神々を祭りの場に招く「降神の舞(こうじんのまい)」をはじめ、降雨と五穀豊穣を祈る「水継ぎの舞(みずつぎのまい)」、「身滌の舞(みそぎのまい)」、「巫女の舞(みこのまい)」など全部で10種類の舞があり、五社や境内で行われる祭典の際に披露されます。

いずれも長野県指定無形民俗文化財となっている貴重な舞ですが、なかでも「岩戸開きの舞(いわとびらきのまい)」と「直会の舞(なおらいのまい。世の中に光が戻ったことを喜ぶ舞)は、戸隠神社らしい舞といえるでしょう。

太々神楽が奉納される年中行事の日時については、戸隠神社の公式サイトから確認してください。

参考リンク:年中行事|戸隠神社について

柱松神事

画像引用元:戸隠神社

「柱松神事(はしらまつしんじ)」は、3年に一度行われる神事です。奥社・中社・宝光社それぞれの境内に高さ2mほどの3本の柱松を立て、それに火を付けて、燃え方や倒れた方角などによって作物の豊凶や景気、世情などを占うとされています。

迫力のある柱松神事は、戸隠神社がもともと「お寺」だった鎌倉時代に修験者の火祭りとして始まったそうです。かつては毎年行われていたものの、江戸時代末期に途絶えてしまいました。2003年に復興されてからは3年ごとに行われています。

ちなみに前回の柱松神事は2021年7月に行われているため、次回は2024年7月の予定です。

戸隠周辺のおすすめスポット

戸隠の見どころは戸隠神社だけではありません。ここでは自然を楽しめる「鏡池」と、500万年前の戸隠について学べる「戸隠地質化石博物館」を紹介します。

鏡池

画像引用元:戸隠観光協会

標高1,200mにある「鏡池(かがみいけ)」は、戸隠高原の自然を満喫できるスポットです。鏡のような水面(みなも)に周辺の木々や戸隠連峰が映り込む姿は、まさに絶景。週末や休日には多くのハイカーやカメラマンが集まります。とくに人気が高いのはホタルが舞う初夏と、モミジやカラマツが色づく紅葉シーズンです。

鏡池の近くには駐車場もありますが、自然を楽しむなら最寄りのバス停から歩くのがおすすめ。約40分のハイキングコースとなっていて、池のほとりには鏡池どんぐりハウスという休憩処もあります。

名称鏡池
所在地長野県長野市戸隠
アクセスアルピコ交通(JR長野駅より乗車):鏡池入口下車 徒歩約40分
上信越自動車道:長野ICから車で約1時間10分
駐車場あり(約40台)
サイトhttps://togakushi-21.jp/spot/368/(戸隠観光協会)
名称鏡池どんぐりハウス
所在地長野県長野市戸隠2039-10
営業時間レストラン:9:00〜16:30(LO16:00)
売店:9:00〜16:30
ギャラリー:9:00〜16:30
BBQ施設:10:00〜16:00
休業日通常月:水曜日(GWとお盆期間中は営業)
6月・9月:火曜日・水曜日
冬季:11月24日〜4月19日
アクセスアルピコ交通(JR長野駅より乗車):鏡池入口下車 徒歩約40分
上信越自動車道:長野ICから車で約1時間10分
駐車場あり(約10台)
サイトhttps://www.kagamiike.jp/

戸隠地質化石博物館

画像引用元:戸隠観光協会

「戸隠地質化石博物館」は、戸隠地方で見つかった化石などを展示する施設です。もともとは戸隠村郷土資料館でしたが、1987年にシンシュウゾウの化石が見つかったことをきっかけに改名され、さらに2006年に戸隠村が長野市と合併したことをきっかけに長野市立博物館の分館になり、さらに2008年に茶臼山自然史館と統合して現建物に移転しました。

戸隠地質化石博物館には長野県指定記念物のシンシュウゾウの化石に加え、ホタテガイやクジラ、ダイカイギュウといった海洋生物の化石も展示されています。これは、戸隠エリアが500万年前は海の中だったことの証拠。現在は標高1904mに隆起した戸隠山を眺めながら、はるかな時間の流れに思いをはせてみましょう。

なお戸隠地質化石博物館では、化石採集会や化石クリーニングなどのイベントも開催しています。ただ見学するだけでなく、体験もできる博物館として人気です。

名称戸隠地質化石博物館
所在地長野県長野市戸隠栃原3400
営業時間9:00~16:30(※入館は16:00まで)
休館日月曜日(祝日の場合は翌平日)
祝日の翌平日
年末年始
アクセスアルピコ交通(JR長野駅より乗車):参宮橋入口下車 徒歩約40分
上信越自動車道:長野ICから約50分
サイトhttp://www.tgk.janis.or.jp/~togakushi-museum/index.html

戸隠神社で神話の世界と四季折々の自然を楽しもう

日本神話や日本の伝統に興味がある方なら、一度は訪れたい戸隠神社。ぜひ、五社参りや太々神楽の見学などを楽しんでください。また、奥社に続く杉並木や鏡池は長野の自然をたっぷりと楽しみたい方にもおすすめ。四季折々の絶景に出合うために、戸隠を歩いて楽しみましょう。

※ 本記事は2024年12月28日時点の内容です

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