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「等々力渓谷」の楽しみ方を紹介 渓谷散策の所要時間や必須スポットがわかる

「等々力渓谷」の楽しみ方を紹介 渓谷散策の所要時間や必須スポットがわかる

東京都世田谷区にある「等々力渓谷公園」は、多くの自然に囲まれ、都内唯一の渓谷が流れる公園です。この記事では等々力渓谷へのアクセス方法、現地での楽しみ方、人気スポットや渓谷内の飲食店を紹介します。

等々力渓谷とは

東京都世田谷区等々力にある「等々力渓谷公園」は、23区内で唯一の「渓谷がある自然公園」です。特徴のひとつは市街地との外気温差で、夏場でも−3〜5℃程度は涼しく、季節や時間帯によっては10℃ほどの差になることも。

また、ケヤキ、シラカシ、コナラ、ヤマザクラなどの木々が生い茂り、渓谷を流れる谷沢川(やざわがわ)のせせらぎ、ウグイス、カワセミ、シジュウカラ、メジロなどの野鳥の声、30か所以上もある湧き水など、別世界のような自然が広がっているのです。春は桜を、夏は涼を、ハイシーズンとなる秋は紅葉を求めて多くの人が訪れます。

ちなみに「渓谷」の定義は「山にはさまれた、川のある所。たに。たにま」(goo辞書より)とのこと。似た言葉の「峡谷」はより深い崖に挟まれた谷のことを指すそうです。

スポット名等々力渓谷公園
住所東京都世田谷区等々力1-22、2-37から38外
開閉時間24時間営業

※日本庭園区間のみ 09:00~17:00(3月~10月) 09:00~16:30(11月~2月)
休園日なし

※日本庭園区間のみ:年末年始(12月29日~1月3日)  
アクセス東急大井町線:等々力駅から徒歩約3分 東急バス、都営バス:等々力下車徒歩約5分
駐車場なし
公式サイトhttps://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/kusei/012/015/001/010/d00004247.html

都内からのアクセス方法

電車

最寄りの等々力駅までは、利用者の多い山手線沿線であればどこからでも1時間以内で到着できます。主要駅からの所要時間は概ね40分前後となっており、なおかつ現地(等々力渓谷入り口)まで徒歩約2分と駅チカなこともあり、アクセス良好な電車はおすすめの訪問経路です。

東京駅からのルート

東京駅→大井町駅→等々力駅
時間:約40分(乗車時間30分)
料金:405円※
※IC優先金額

新宿駅からのルート

新宿駅→渋谷駅→自由が丘駅→等々力駅
時間:約36分(乗車時間19分)
料金:394円※
※IC優先金額

自動車

自動車の場合は首都高速・3号渋谷線「用賀IC」か第三京浜道路「玉川IC」が最寄りの出口となります。それぞれ出口から25分程度で等々力渓谷に到着します。渓谷内にある等々力不動尊の駐車場は無料ですが、参拝用のため駐車は避けて周辺のコインパーキングを利用しましょう。

徒歩

都心から徒歩というのは現実的ではありませんが、多摩川沿いの二子玉川エリアからは徒歩30分程度の距離となっています。ショッピングやお食事で二子玉川にお出かけすることが多いかたは、すごしやすい季節にちょっと長めのお散歩を楽しむのもいいかもしれません。

渓谷内の歩き方とまわっておきたいスポット

今回はおすすめ経路の電車を利用した場合の、等々力渓谷の散策コースを紹介します。

入り口(駅から渓谷まで)

等々力渓谷へは東急大井町線の南口から向かいます。等々力駅は北口・南口のどちらも出てすぐに踏切というちょっと変わったつくりになっています。

南口を出たらすぐに右、最初の角を左に曲がれば右手側にスーパー「成城石井」が見えてきますので、お店をすぎた角の路地に入れば、あっという間に渓谷の入口です。駅から徒歩2〜5分という良アクセスなのが等々力渓谷のいいところ!

渓谷入り口の反対側には現在地と渓谷内の気温計が設置されています。この日は気温差が約4℃。夏場は渓谷内もまだ「暑い」です。真夏よりは、少し過ごしやすくなる春先や秋頃が散策のベストシーズンになりそうです。

ゴルフ橋

階段を降りてすぐに目に飛び込んでくるのが真っ赤な「ゴルフ橋」。名称の由来は旧下野毛に大きなゴルフ場があったことから。もともとは木造橋でしたが、1961年にいまのアーチ鋼橋にかけ直されたのだそう。

ここでひとつ小ネタを。

周囲の「緑」に対して橋の「赤」はお互いを引き立て合う補色の関係です。そういえば、私たちが美しいと感じる「紅葉」もこの色の組み合わせだから惹かれるのでしょうね。渓谷への入り口は複数ありますが、やはりこの橋を最初に見ながら歩くのが渓谷散策のおすすめコースです。

遊歩道

さあ、ゴルフ橋を背に歩き始めましょう。

ここからは渓谷内を流れる谷沢川沿いを左右に入れ替わりながら約1キロほど続く遊歩道です。遊歩道に降りると日も遮られ、水場の近くということもあるのでしょうか、入り口の温度計が示すようにたしかに地上よりも暑さが和らぎます。

真夏の場合、「ひんやりする」というほどではありませんが、格段に過ごしやすくなり足取りも軽くなります。

また、そばを流れる川は浅く、この日は流れも穏やかなため、遊歩道から降りて水に足を浸す人もチラホラ。親御さんがいっしょならお子さんの水遊び場としても楽しめます。

※滑りやすい箇所もございますので、遊歩道から降りる際は十分にご注意ください。

等々力渓谷3号横穴

古墳群が隣接しているのも等々力渓谷の特徴です。周囲には野毛大塚古墳や御岳山古墳もありますが、渓谷内にある古墳が3基の横穴(おうけつ)群です。完全な形で残っている3号横穴は野毛地域の有力な農民の墓とされています。

3号横穴は入り口まで近づくことが可能です。このなかに私達の祖先が眠っていると思うとキリリと身が引き締まりますね。

「1号、2号は?」というと、こちらは茂みの中にその跡地が残るのみとなっています。

広場

遊歩道のちょうど中間の位置にはちょっとした広場があり、お手洗いも設置されています。お子さんやワンちゃんのお散歩で水が入り用になったときにも便利な場所ですね。

稚児大師堂

広場を抜けてまた少し歩を進めますと右手に細い道が見えてきます。そのさきには「稚児大師堂(ちごだいしどう)」と呼ばれる小さなお堂があります。稚児大師とは弘法大師(空海)さまの幼少期の姿を図像化したもの。

日本で初めて私学(綜芸種智院)を設立したとされ、学問にもご利益があると言われている弘法大師ゆかりのお堂ということで、テスト勉強や受験に臨む学生たちのパワースポットとしても知られます。

像の脇にある立て札には、「お子様も拝みやすいよう低い位置に安置した」と書かれています。たしかに大人の目線よりは少し低く、また、かわいらしい像なので、「お願い!テストでいい点数とらせて!」と気軽にお願いしたくなっちゃいますね。

日本庭園・書院

稚児大師堂を拝んだら、また少しメインルートから外れて寄り道してみましょう。自然あふれる渓谷のすぐそばに、絶対に訪れておきたい素晴らしいスポットがあるんです。それがこの、整備された日本庭園と、そのさきにある「書院」です。

美しい竹林の日本庭園をぐるっとまわったら、さらに脇道を登ってみましょう。

書院への道の途中には小さなみかん畑が。青々としたみかんがかわいらしい!

暑さと勾配で少し息を切らしながら坂道をあがったさきにあるのがこの書院。もともとは1961年に建てられた家屋ですが、いまは資料室兼休憩所としてつかわれています。

履物を脱げば書院にあがることもできます。壁には等々力渓谷の生物や水源についてなどさまざまな研究資料のほか、渓谷の四季の写真など。

奥側の部屋から入り口を見た景観がこちら。この日は気温も高かったのですが、部屋を通り抜ける風が気持ちよくてつい長居してしまいました。

不動の瀧

遊歩道から橋を渡った突き当たりにあるのがこの「不動の瀧」。岩から覗いたふたつの口のそれぞれから細い水流がとめどなく湧き出しているのが見えるはずです。

瀧までにある足場は滝行のためのものですが、一般の人は立ち入ることはできないのでご注意を。

地名の等々力の由来は諸説あるのですが、そのひとつとしてこの不動の瀧の音が轟くところからきているというものもあります。おそらく過去には水量も多く立派な滝だったのかもしれませんね。

等々力不動尊

正式名称は「瀧轟山明王院等々力不動尊(りゅうごうさんみょうおういんとどろきふどうそん)」。等々力不動尊と呼ばれるこちらの寺院は平安時代末(1,100年頃)の開創。多くの樹々に囲まれて建つこちらの寺院が、等々力渓谷入り口からの終着点のようになっています。

ただし、渓谷側からではなく、寺院側の入り口もあるため、渓谷から上がってきたときに参拝客の多さに驚く人も多いのではないでしょうか。

見どころのひとつは自然の多さと、高台の立地を活かした素晴らしい景観です。境内を囲む樹木はヤマザクラなど数百本の桜たち。桜の名所として知られる一方で、秋にはモミジの紅葉も楽しめます。

 こちらは境内脇に設置された展望台。眼下には一面の緑が広がり、改めてこの地が多くの自然に囲まれていることがよくわかります。

上がってみると吹き抜ける風も気持ちいい! 絶好の記念撮影スポットにもなっています。

渓谷内の飲食店

散策に疲れた身体を休め、お腹を満たしてくれる飲食店も渓谷内にあります。どちらも等々力不動尊ゆかりの施設となっており、公式のお休み処というわけです。

雪月花

まずは、不動尊への上り階段の麓に位置するお座敷形式の飲食店がこの「雪月花」。少し奥まったスペースで、周囲の樹々も覆いかぶさるようになっているため、”森の中の隠れ家”のような佇まいです。都内ではあまり見ることのない瓦葺きの屋根が印象的な建物へは、履物を脱いで上がります。

椅子はなく、日本的なお座敷スタイルでのお食事となります。購入は店内にある券売機で行い、呼び出しを待って自分で運ぶセルフスタイル。

なお、この日は10名ほどのお客さんが11時の開店を待っていました。とくに休日は混雑するため「滞在は30分程度で…」とお願いがありますが、前述のとおり履物を脱いで過ごすので、長居せずとも歩き疲れた足は随分と楽になるはずです。

人気メニューは土日祝日限定のくずもち(税込800円)。さらに夏限定の冷やし汁粉(税込700円)。こちらのくずもちは関東風のしっかりとした食感が特徴です。

店舗名雪月花
住所東京都世田谷区等々力1−22−47
営業時間平日11:00~16:00(L.O 15:30) 土日祝10:30~16:00(L.O 15:30)
定休日12月の第3月曜日〜3月の中旬中は土日祝日および節分のみ営業 ※元旦〜1月7日は営業 ※その他天候により休業あり
アクセス東急大井町線:等々力駅から徒歩約10分
駐車場あり(等々力不動尊の駐車場を利用可能)
公式サイトhttps://www.manganji.or.jp/store/

四季の花

等々力不動尊の境内脇にあるのがお休み処の「四季の花」。こちらではコーヒーやゆず茶などのドリンクや軽食が楽しめます。散策のハイシーズンに人気なのが季節限定メニューもあるソフトクリーム。

散策で疲れた身体にこの甘さとひんやりが効くんですよね。テラスのベンチに座って、しばしボーっとするのもまた一興。参拝客の賑わう声や自然のなかで心も身体も休めましょう。

店舗名四季の花
住所東京都世田谷区等々力1‐22‐47
営業時間平日11:00~16:00(L.O 15:30) 土日祝10:30~16:00(L.O 15:30)
定休日天候により休業あり
アクセス東急大井町線:等々力駅から徒歩約10分
駐車場あり(等々力不動尊の駐車場を利用可能)
公式サイトhttps://www.manganji.or.jp/store/

渓谷散策の所要時間、必要な持ち物は?

遊歩道が約1キロのため、早足の方なら10分程度で歩き切ることは可能です。ですが、紹介してきたようなスポットに寄り道し、渓谷内の自然を味わいながら歩けば30分〜1時間程度は渓谷内で過ごすことができるはずです。

また、等々力不動尊への参拝やお休み処を利用すれば、さらにゆっくり過ごすことも可能です。せっかく訪れたのであれば、じっくりとこの自然と厳かな雰囲気を味わっていただきたいですね。持ち物に特別なものは必要ないですが、下記のようなものもあるといいかもしれません。

  • タオル(汗拭き用/水場で遊びたい場合に)
  • 飲み物(食事処を利用しない場合に推奨)
  • スニーカーなど歩きやすい靴(遊歩道以外を散策する場合に推奨)
  • しまえるタイプの上着(秋口など地上との気温差が大きな場合に)

また、ご家族で楽しめるスポットではありますが、ベビーカーや車椅子での訪問には向いていません。渓谷側、不動尊側のどちらの入り口からも急な階段を長めに降りる必要があり、渓谷内も天候によって足元の悪いことがあるので、避けておいたほうがよいでしょう。

ただし、等々力不動尊の参拝のみであれば渓谷を通らず地上の歩道からアクセス可能です。

こちらは等々力渓谷の真上を横切るように走る国道311号からの眺め。

都内の癒やしスポットの名に偽り無し

自然がたっぷりの場所に行きたいという人にとっては最高のお出かけスポットになるのではないでしょうか。とにかく地上と渓谷内のギャップに終始驚かされながら、目に入る緑、水や生き物たちの音・声に浸ることで心が癒やされます。

遊歩道もしっかり整備されていますので、危険なことやアクシデントも起こりにくい。ご家族で安全安心に楽しめるおすすめの場所ですね。

※本記事は2023年9月26日時点の内容です

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