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厳島神社の見どころとは?宮島観光の楽しみ方も紹介します

厳島神社の見どころとは?宮島観光の楽しみ方も紹介します

広島観光の人気スポットとして知られる「厳島神社」。海中からそびえる大鳥居はもちろん、国宝に指定された数々の建物など多くの見どころを持つ神社です。この記事では厳島神社で必見の場所や参拝方法などについて、わかりやすく紹介していきます。

厳島神社とは?

「厳島神社(いつくしまじんじゃ)」は、広島県廿日市市(はつかいちし)の厳島、通称「宮島」にある神社です。まずは厳島神社がどのようなところか、簡単に解説します。

平家ゆかりの歴史ある神社

厳島神社は今から約1400年前(西暦593年)、厳島を治めていた佐伯鞍職(さえきのくらもと)という豪族によって創建された神社です。初期の厳島神社がどのような姿だったのかははっきりしませんが、少なくとも現在の姿や規模に近い海上社殿は、1168年に平清盛(たいらのきよもり)によって造営されたと伝えられています。

平家一門と共に栄えた厳島神社ですが、平家が滅んだ後も足利尊氏(あしかがたかうじ)、毛利元就(もうりもとなり)、豊臣秀吉(とよとみひでよし)などの有力武将から崇拝されました。残念ながら平清盛が造営した社殿は火災によって失われてしまい、現存する建造物は1241年や1571年に改築・修復されたものが中心となっているそうです。

国宝や世界遺産に登録

数多くの建造物で構成される厳島神社。社殿のいくつかは「国宝」指定を受けています。

【国宝指定の建造物】

  • 本殿(ほんでん)・幣殿(へいでん)・拝殿(はいでん)
  • 祓殿(はらいでん)・平舞台(ひらぶたい)・高舞台(たかぶたい)
  • 客神社(まろうどじんじゃ)本殿・幣殿・拝殿
  • 客神社祓殿
  • 東回廊
  • 西回廊

さらに厳島神社の独特の景観、造営当初の様式を残す建造物、文化的な価値などが評価され、1996年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。登録エリアは社殿全体を中心に、目の前の海、背後の原始林など合計431.2ヘクタール(厳島全体の約14%)に及びます。

厳島神社のご利益

厳島神社のご祭神は「市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)」「田心姫命(たごりひめのみこと)」「湍津姫命(たぎつひめのみこと)」です。これらの神様は「宗像三女神(むなかたさんじょしん)」とも呼ばれ、交通安全や商売繁盛、縁結び、技芸上達などのご利益があると信じられています。

また厳島そのものが古来より「神に斎(いつ)き祀る島=神に仕える島」として、神聖な場所と考えられてきました。厳島神社が海上(潮の満ち引きがある場所)に建てられているのも、ご神体である島を傷つけないための工夫だそうです。

アクセス情報など

厳島神社へは、まず本土側の「宮島口桟橋」から厳島側の「宮島桟橋」までフェリーで渡り、そこから徒歩でアクセスします。

【宮島口桟橋までのアクセス】
JR山陽本線:宮島口駅から徒歩約3分
広島電鉄宮島線:広電宮島口駅から徒歩約1分
広島岩国道路:大野ICから車で約15分
※宮島口桟橋周辺に駐車場多数あり

【宮島口桟橋から宮島桟橋までのアクセス】
JR西日本宮島フェリー・宮島松大汽船:フェリーで約10分
※運賃は片道大人(中学生以上)200円・小人100円ですが、未就学児を除く観光客は厳島に向かう際に「宮島訪問税(100円)」が別途必要

【宮島桟橋から厳島神社までのアクセス】
徒歩約14分

名称厳島神社(いつくしまじんじゃ)
住所広島県廿日市市宮島町1-1
開門時間1月1日:0:00〜18:30
1月2〜3日:6:30〜18:30
1月4日〜2月末日:6:30〜17:30
3月1日〜10月14日:6:30〜18:00
10月15日〜11月30日:6:30〜17:30
12月1日〜12月31日:6:30〜17:00
拝観料金大人:300円 高校生:200円 中学生:100円
公式サイトhttps://www.itsukushimajinja.jp/

厳島神社の見どころ

ここからはいよいよ、厳島神社を訪れるなら必見!の見どころを紹介していきます。

大鳥居(おおとりい)

厳島神社のシンボルともいえる「大鳥居(おおとりい)」。初代は1168年代に建てられたとされていますが(諸説あり)、現在のものは今から150年ほど前、1875年に再建された8代目にあたります。高さは約16.6m、幅は最も長いところ(一番上の部分)で約24.2m、「厳島神社」と書かれている扁額(へんがく)は畳3畳分ほどの大きさがあるそうです。

厳島神社の鳥居は、メインとなる2本の柱(本柱)にそれぞれ2本ずつ支柱が取り付けられているのが特徴。これは「両部鳥居(りょうぶとりい)」といい、神仏習合の神社に多いタイプなのだそう。

普段は海中からそびえ立つように見える大鳥居ですが、干潮時には周囲の水が引くため、真下まで歩いて行くことができます。ぜひタイミングを合わせて、見事な姿を間近で観察してみましょう。

東回廊(ひがしかいろう)と西回廊(にしかいろう)

厳島神社のもうひとつの特徴的な建造物が、社殿を回り込むように設置された「東回廊(ひがしかいろう)」と「西回廊(にしかいろう)」です。両方の回廊を合わせた長さは約260m、幅は約4mで、どちらも国宝に指定されています。

東回廊・西回廊を歩く際に、ぜひ注目してほしいポイントが「床板」です。一見すると板を隙間なく敷き詰めてあるように見えますが、実は板と板のあいだには目透しという隙間が開けられています。これは高潮の際に海水を通す(逃がす)ことで、建物全体を守るための仕掛けなのだそう。また海水による腐食を避けるため、釘は一本も使われていません。

別の注目ポイントは、東西回廊の「入口(出口)」です。東回廊の入口(参拝路の入口)には「切妻造り(きりづまづくり)」の屋根、西回廊の入口(参拝路の出口)には「唐破風造り(からはふづくり)」の屋根が設置されています。唐破風造は格式が高い建物の入口につかわれることが多いため、もともとは西回廊の方が正面入口だったと考えられているそうです。参拝の際は、ぜひ東西回廊の入口を見比べてみてくださいね。

客神社(まろうどじんじゃ)

参拝路の入口から東回廊を進んですぐのところにある「客神社(まろうどじんじゃ)」。厳島神社の社殿の一部を構成しているものの、厳島神社(本社)とは別のご祭神をおまつりしています。本社と同じように、祓殿・拝殿・幣殿・本殿が一式そろっているのも特徴で、すべて国宝に指定されています。

【客神社のご祭神】
雨忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)
天穂日命(あめのほひのみこと)
天津彦根命(あまつひこねのみこと)
活津彦根命(いくつひこねのみこと)
熊野櫞樟日命(くまのくすのびのみこと)

客神社の創建年は不明ですが、現在の社殿は1241年に建てられたものと考えられています。ちなみに、厳島神社で行われる祭典はすべてこの客神社から始められるのが習わしだそうです。

本殿(ほんでん)

厳島神社で最も重要な場所が、ご祭神の宗像三女神をおまつりする「本殿(ほんでん)」です。ただし一般の参拝客が本殿に直接入ることはできないため、拝殿から幣殿越しに本殿に向かってお祈りします(上の写真は拝殿から幣殿→本殿を見ているところ)。拝殿の手前には祓殿があり、これら4つの社殿一式は国宝に指定されています。

現在見ることができる4つの社殿のうち、祓殿・拝殿・幣殿は1241年、本殿は1571年に創建されたもの。いずれにしても非常に長い歴史を持つ、貴重な建物です。

ちなみに本殿は左右非対称になっているのだそう。間近に近づけないため少しわかりにくいのですが、参拝の際は注意深く観察してみましょう。

平舞台(ひらぶたい)と高舞台(たかぶたい)

祓殿の前(大鳥居の側)には、広々とした板張りの舞台が広がっています。舞台は二段になっていて、下の広い方が「平舞台(ひらぶたい)」、朱塗りの高欄(こうらん。手すりのこと)に囲まれた一段高い方が「高舞台(たかぶたい)」で、国宝に指定されています。

平舞台は祓殿から本殿へと続く本社の「前庭」にあたる部分です。一方の高舞台は神様に捧げる舞楽(雅楽器の伴奏で舞を鑑賞するもの)を行う場所とされています。現代ではコンサート会場としてつかわれることもあるそうですよ。

ちなみに厳島神社の平舞台・高舞台(合わせて「板舞台」)は、大阪・四天王寺(してんのうじ)の石舞台や大阪・住吉大社(すみよしたいしゃ)の石舞台と並び「日本三舞台」と呼ばれています。

厳島神社の参拝方法

厳島神社を参拝する際は、順路に沿って一方通行で進みます。ここでは参拝路の入口から出口まで、主な見どころを押さえながら参拝ルートをたどっていきましょう。

東回廊に入る

参拝路の入口は「東回廊の入口」です。切妻造りの屋根をくぐり、板張りの東回廊を進んでいきます。

客神社を参拝する

東回廊を少し進むと、すぐに客神社があります。東回廊を挟んで右側に祓殿、左側に拝殿・幣殿・本殿があります。ここでは拝殿から本殿に向かって参拝しましょう。

祓殿へ進む

東回廊をさらに進み、右に2回、左に1回曲がると(本社の)祓殿に到着します。祓殿から海側には平舞台・高舞台と大鳥居、山側には拝殿・幣殿・本殿が続いています。

平舞台・高舞台と大鳥居を眺める

祓殿からは、平舞台・高舞台から大鳥居までを見渡すことができます(上の写真の大鳥居は修復中)。なお平舞台に出ることはできますが、高舞台に上がることはできないので注意しましょう。

本殿に向かって参拝する

拝殿から幣殿越しに本殿を参拝します。一般参拝客は本殿に入ることができません(ご祈祷を受ける場合は本殿に入れます)。

西回廊を通って出口へ

参拝が終わったら、西回廊を通って出口へ向かいます。回廊の途中では、国の重要文化財に指定されている「反橋(そりばし)」や「能舞台(のうぶたい)」も見学できますよ。

大鳥居へ(干潮時)

干潮の時間帯には、このように大鳥居まで歩いていくことができます。日本三大鳥居のひとつにも数えられる見事な鳥居を、ぜひ間近で観察しましょう。ただし「これが厳島神社!」というイメージの(海上にそびえる)鳥居を楽しみたい方は、逆に干潮時を避けた方が良いかもしれません。

干潮や満潮の時間帯を事前に確認する場合は、以下のサイトが便利です。
2023年1月|年間潮汐・潮見表|一般社団法人宮島観光協会

厳島(宮島)観光も楽しもう!

厳島(通称:宮島)には、厳島神社以外にも見どころがあります。ここでは観光客から人気の高い5つのスポットを紹介します。

宮島表参道商店街

宮島表参道商店街は厳島/宮島のグルメや土産物がそろうショッピングスポット。フェリーターミナルから厳島神社に向かう道沿いに、約350mにわたり続いています。

焼きたての「もみじ饅頭」を食べ歩きするもよし、カキや穴子がたっぷりのランチを味わうもよし。ここならではのお土産が欲しいなら、伝統工芸品の「宮島杓子(みやじましゃもじ)」もおすすめですよ。

参考サイト:宮島表参道商店街 | 【公式】広島の観光・旅行情報サイト Dive! Hiroshima

紅葉谷公園(もみじだにこうえん)

「紅葉谷公園(もみじだにこうえん)」は、厳島神社の背後に位置する渓流沿いの公園です。厳島神社から、公園の入口にあたる「紅葉橋」までは徒歩約6分。そこから終着点の「紅葉谷橋」まで、徒歩約5分ほどの道のりが続きます。

公園内には「イロハカエデ」を中心に約700本のもみじがあり、夏には鮮やかな緑、秋には黄や赤の紅葉を楽しめます。紅葉谷橋を渡った先には宮島ロープウェーの始発駅(紅葉谷駅)があるので、ロープウェーに乗る前に散策してみるのもおすすめです。

参考サイト:重要文化財 紅葉谷川庭園砂防施設 | 【公式】広島の観光・旅行情報サイト Dive! Hiroshima

宮島ロープウェー

「宮島ロープウェー」は、厳島の最高峰・弥山(みせん)のふもとにある「紅葉谷駅」から、途中の「榧谷(かやたに)駅」を経由(乗り換え)して標高約430mの「獅子岩(ししいわ)駅」までを結ぶロープウェーです。

ロープウェーは乗り換えを含めて片道約25分。道中、厳島神社や弥山原始林(みせんげんしりん)の姿を上空から眺めることができます。また終点の獅子岩駅を降りて2分ほど歩くと「獅子岩展望台」があり、瀬戸内海の絶景を楽しめますよ。

なお、獅子岩駅から弥山山頂までは30〜40分程度のハイキングコースが続いています。ただし「あまり体力がない」という人は、獅子岩展望台からの眺めでも十分に満足できるでしょう。

公式サイト:宮島ロープウェー

弥山展望台(みせんてんぼうだい)

宮島ロープウェーの獅子岩駅から40分近く歩いた先にあるのが、弥山山頂の「弥山展望台(みせんてんぼうだい)」です。標高約535mの展望台からは、厳島神社の大鳥居や対岸の廿日市市、さらには瀬戸内海の島々や四国連山まで、360度遮るもののないパノラマ風景を楽しめます。

宮島桟橋や厳島神社からは往復4時間前後の道のりですが、それだけの時間と体力をかけて行くだけの価値がある絶景スポットといえるでしょう。

参考サイト:弥山展望台 | 【公式】広島の観光・旅行情報サイト Dive! Hiroshima

宮島水族館

画像引用元:宮島水族館

厳島神社を参拝したあと、少し足を伸ばして(徒歩約5分)「宮島水族館(愛称:みやじマリン)」を見学するのもおすすめです。和をイメージした建物のなかには、瀬戸内海を中心に380種15,000点以上の海の生き物が展示されています。

とくにユニークな展示は、広島ならではの「カキいかだ(カキの養殖筏)」です。海上からではなく海中から見るカキいかだは、地元の人でもなかなか見ることがないのだそう。また瀬戸内海の生き物ではありませんが、トドやアシカ、ペンギン、カワウソといった人気者たちとも出会えますよ。

公式サイト:宮島水族館

厳島神社と宮島の魅力を体験しに行こう!

国宝や世界遺産として知られる厳島神社は、広島観光や厳島(宮島)観光に欠かせない必見スポットです。次の週末や休日は厳島に足を伸ばして、歴史ある神社や、豊かな自然を楽しんでみてください。

※ 本記事は2023年10月1日時点の内容です

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