ボクシングフィットネス(ボクササイズ)は、ボクシングのテクニックや動きをつかった全身トレーニングです。本記事では、ボクシングフィットネスの効果や必要な準備方法について詳しく解説します。健康やダイエット、ストレス解消に効果的なボクシングフィットネスで、ボディメイクや体力向上を目指しましょう!
この記事の目次
ボクシングフィットネスとは
ボクシングフィットネスとは、その名の通り、フィットネス目的で行われるボクシングのことです。サンドバック打ち、シャドーボクシング、ミット打ちなど、ボクシングの基本技術を通じてフィットネスを行います。
フィットネスはよくつかわれる言葉ですが、そもそもどのような意味でしょうか。厚生労働省は以下のように見解を述べています。
フィットネスとは元来は体力という意味ですが、近年は健康の維持・増進を目指して体組成(体脂肪率)の正常化・心肺機能の向上・筋力強化・筋持久力や柔軟性の向上などを行う運動のことを表すようになりました。
引用:フィットネス | e-ヘルスネット(厚生労働省)
つまり、ボクシングの動作を通じて、脂肪の燃焼や筋力アップなどの効果を目指すということです。また、ボクシングフィットネスのことをボクササイズと呼ぶこともありますが、意味はほぼ同じです。
では、なぜフィットネスのためにボクシングを行うのでしょうか。それはボクシングが全身運動であり、無酸素運動と有酸素運動の両方の効果を得られるからです。
ボクシングフィットネスの効果
続いて、ボクシングフィットネスを行うことで期待される効果を紹介します。
- 脂肪燃焼
- 基礎代謝アップ
- 筋力アップ
- ストレス発散
ボクシングフィットネスでは、これらすべての効果を得られる可能性があります。
脂肪燃焼
ボクシングフィットネスでもっとも効果が期待されるのは「脂肪燃焼」です。運動には大きく分けて無酸素運動と有酸素運動の2種類があります。
無酸素運動は、高強度の運動を数秒から数分行います。おもにつかわれるエネルギーは糖質です。一方、有酸素運動は、低強度の運動を数十分以上続けます。おもにつかわれるエネルギーは脂質です。
脂質がおもにつかわれるため、脂肪燃焼に効果的なのは有酸素運動と考えられています。しかし、先に無酸素運動で糖質を消費してから有酸素運動を行うことで、より脂肪が燃えやすくなります。
ダイエットのために、まず筋トレを行ってから有酸素運動を行うのはそれが理由です。無酸素運動で糖質を消費し、脂肪が燃えやすい状態を作り出したあと、有酸素運動で脂肪を燃焼させるのです。
その点、ボクササイズは無酸素運動と有酸素運動の両方を兼ね備えています。パンチやキックをする動作は無酸素運動に該当し、数分間以上のフットワークは有酸素運動に該当します。
では、消費カロリーはどれくらいになるのでしょうか。体重50kgの人が1時間の運動を継続した場合、以下のようにカロリーを消費します。
ウォーキング | 約160カロリー |
サンドバック打ち | 約290カロリー |
スパーリング | 約410カロリー |
ランニング | 約470カロリー |
ランニングよりは消費カロリーが少ないものの、脂肪燃焼には続けやすさも重要です。ランニングのような単調な動きだと飽きてしまう人には、ボクシングフィットネスが適しています。
ボクシングなら、ローキックやハイキック、ジャブやフックなどさまざまな技術を学びます。また、サンドバックやミット打ち、スパーリングなど練習内容もさまざまです。
もちろんランニングにもさまざまな技術や練習メニューがあります。しかし、ボクシングの方が技術の向上がわかりやすいため飽きにくく、楽しみながら継続できます。そして、継続すればするほど脂肪は燃焼するでしょう。
より脂肪燃焼を促したい場合は、セット間のインターバルを減らして、心拍数が高い状態を長く続けましょう。例えば、3分間サンドバック打ちやスパーリングを行った後、インターバルを30〜60秒に設定するなどです。
基礎代謝アップ
基礎代謝の向上もボクシングフィットネスで期待できる効果です。基礎代謝とは、仰向けに寝転がり、安静にした状態で消費されるカロリーです。基礎代謝が増えると消費されるカロリーが増えるため、太りにくく痩せやすくなります。
ボクシングフィットネスによって、筋肉量を増やすことと代謝を活発化することで、基礎代謝の向上が期待できます。
先述したとおり、ボクシングのパンチやキックは無酸素運動です。筋肉を増やすには重い重量を扱うと良いのですが、ボクシングでも筋肉を増やす効果がある程度期待できます。筋肉は維持するだけでもカロリーを消費するため、筋肉量を増やすことで基礎代謝が向上します。
そして、ボクシングのフットワークは有酸素運動です。有酸素運動には、体内の血流を改善し、代謝を活発化させる働きがあります。
このようにボクシングフィットネスで基礎代謝量を向上させることができれば、太りにくく痩せやすい身体になれます。
筋力アップ
ボクシングフィットネスでは、筋力アップも期待できます。筋力の向上には筋肉の大きさと神経の活性化が重要です。先述したとおり、ボクシングには筋肉を増やす効果がある程度期待できます。
そして、増やした筋肉がしっかり収縮するには、神経の活性化が必要です。ボクシングフィットネスでは、力を入れて素早くパンチやキックを打つので、神経系が活発化し、筋肉が瞬発力を発揮できるようになります。
パンチで腕、キックで足の筋肉が使われるのはもちろんのこと、パンチを出すには腰と肩の回転を行うため、下半身から体幹の筋肉も広く鍛えられます。このようにボクシングは全身トレーニングです。
ボクシングフィットネスを行うことで、全身の神経系が活性化し、力強く俊敏に動けるようになるでしょう。他競技のアスリートでもボクシングフィットネスを取り入れているほど、パフォーマンス向上に有効なトレーニングです。
ストレス発散
ストレス発散もボクシングフィットネスの効果のひとつです。とくにダイエットにおいて、ストレスは大敵です。ストレスホルモンのコルチゾールが分泌されると、脂肪を貯めやすくなってしまいます。
しかし、日常生活のストレスに加えて、ダイエット中は甘いものや脂っこいものを食べられないため、ストレスがたまってしまいますよね。
ボクシングフィットネスなら、サンドバックやミットを思い切り叩くことで、ストレスを発散できます。日常のイライラや不満をパンチに変えれば、ストレスは自然に消えていくことでしょう。
うまくストレスを発散できれば、ダイエットが成功しやすくなります。
ボクシングフィットネスに必要な準備
続いて、ボクシングフィットネスに必要な準備を解説しますが、用意しなければならないものは多くありません。気軽に始められるのも、大きなメリットです。
服装・道具
ボクシングフィットネスを行うときに必要なものは、主に以下の3種類です。
1. ストレッチ性の高いスポーツウェア | 動きやすい服装であれば問題ありません。できれば、肩周りを動かしやすいタンクトップが理想です。また、汗をかくので吸汗速乾性の素材を選びましょう。 |
2. 女性はスポーツブラ | フットワークでは上下の動きがともなうため、胸の靱帯を守るために、揺れを防げるスポーツブラがおすすめです。また、むれを防ぐためにも吸汗速乾性の素材を選びましょう。 |
3. シューズ | ボクシングの大会に出ないのであれば、普通のシューズでも十分です。しかし、キックを行うかどうかや、通う予定のジムによっても違うので、問い合わせてから購入すると確実です。 |
不安な場合は、通う予定のジムを見学のうえ、用意する物を確認しましょう。
準備運動
準備運動は、全身のストレッチと縄跳びを行いましょう。まず、怪我を防ぐために、ストレッチを行います。縄跳びで身体を温めてから行うのも有効です。とくに手首や足首、肩周りを入念に伸ばしてください。
そして、縄跳びで心拍数を上げて全身を温め、リズム感をつかみます。その後は、シャドーボクシングやサンドバック打ちで基本のフォームを練習しましょう。
ジムによって準備運動の流れも違うので、指導を仰ぎましょう。
ボクシングフィットネスジムの選び方
「ボクシングフィットネスをやりたい」となったら、ジムを探しましょう。ボクシングは技術が必要なため、効果を得るには専門家の指導が必要です。
自分の目標
ボクシングフィットネスジムを選ぶ際の基準は「自分の目標」です。とにかく痩せたいのか、健康になりたいのか、趣味としてボクシングを楽しみたいのか、それとも試合に出たいのか、などを考慮します。
とにかく痩せたい場合や健康になりたい場合は、一般的なスポーツジムのスタジオで定期的に開催されるボクササイズに参加するといいでしょう。週1〜2回、インストラクターが来てボクササイズを指導してくれるジムがあります。
スポーツジムのホームページをチェックするか、問い合わせをするなどして、ボクササイズのプログラムあるかどうか、また、どの曜日や何時から行われているのかを確認しましょう。
ボクササイズを実施しているジムが通いやすい場所にない場合や、趣味としてボクシングを楽しみたい、試合に出たいなどの場合は、ボクシングジムがおすすめです。ボクシングジムといっても、競技として本気で取り組む人ばかりではありません。ダイエットや健康、趣味のためにボクシングジムに通うのも一般的です。
もし、ボクシングジムが見つからない場合は、フィットネス系のゲームを買って自宅で行うこともできます。ただし、パンチの正しいフォームやフットワークを直接教わることができないため、効果は出にくいでしょう。
ボクシングジムに入る勇気が出ない、ボクシングが合っているのかわからない、といった場合は、ボクササイズを行っているスポーツジムがおすすめです。スポーツジムであれば、仮にボクシングが合わなくても、筋トレやランニングなどの運動に切り替えることができます。
アクセス
アクセスの良さも重要な基準です。最初に「いつ通いたいのか」を考えてください。休日に通う予定なら家の近く、仕事の前後に通うなら職場の近くや職場と家の間が考えられます。
おすすめは、家や職場の最寄り駅やバス停、駐車場の近くです。継続するためには通いやすさも重要なので、しっかりと検討してみてください。
施設の設備
入会前に一度見学にいって、施設の設備を確認しましょう。シャワーや入浴設備があるか、アメニティはあるか、更衣室やトイレはきれいか、などです。ボクシングフィットネスは汗をかくため、よほど自宅から近くない限り、最低限シャワーは欲しいところです。
ウェアの貸出の有無もチェックしましょう。もしウェアの貸出があれば、最小限の荷物で通えます。
ほかにも、設備の規模と人数も見てみましょう。設備に対して人数が多いと、なかなかサンドバックやミット打ちができない、待ち時間が増える、などのデメリットがあります。
また、ダンベルやバーベル、筋トレやランニングマシンなどもあれば、ほかのトレーニングもできるので便利です。
気分爽快!ボクシングフィットネスを楽しもう
今回は、ボクシングフィットネスの効果、準備、ジムの選び方をご紹介しました!ボクシングフィットネスは脂肪燃焼や基礎代謝の向上、筋力アップ、ストレス発散など、効果が期待できます。
痩せたい、健康になりたい、ほかのスポーツのパフォーマンスを上げたいなど、さまざまな人におすすめです。
ぜひジムを探して、ボクシングフィットネスを始めてみてくださいね。
※ 本記事は2023年3月29日時点の内容です。