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ドローンを飛ばせる場所とは?規制や飛行禁止区域、航空法も解説

ドローンを飛ばせる場所とは?規制や飛行禁止区域、航空法も解説

ドローンを飛ばせる場所や飛行禁止区域を解説。「山や私有地でも許可は必要なのか?」など、気になる規制や航空法の改正ポイントをわかりやすくお伝えします。自由自在に空へ飛ばせることができるドローン。飛ばせる場所を理解して趣味を増やしましょう。

ドローンとは?

ドローンとは、無線で操縦する無人航空機のこと。ラジコンとは異なり、自動操縦が可能である点も特徴です。種類はさまざまありますが、撮影カメラを搭載した飛行するものをイメージする方が多いのではないでしょうか。

空中撮影以外でもドローンの特性を活かし、農薬や肥料の散布、点検作業や測量などにも利用されています。また、運搬用として物流業界でも活躍しています。

価格帯は搭載されている機能によって変わり、ラジコンのように遊ぶものであれば数千円台。撮影用となるとカメラの性能、センサーやGPS機能の有無などによって数万円から数十万円までピンきりとなります。

レンタルもありますが、数千円から数十万円と用途によって値段が変わるのは同じなようです。

ドローンの飛行禁止区域、規制場所

じつはドローン、どこでも飛ばせるわけではありません。ドローンを購入する前、もしくは操縦前に、NGエリア、シチュエーションをしっかり理解しておきましょう。

本記事では、国土交通省(無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法)を参考に、わかりやすく解説します。

1:上空150メートル以上

上空150m以上の空域ではドローン飛行は航空法によって禁止されています。

航空機に接触する可能性がある、不備や故障が起き、落下した場合に危険だといった理由からです。

ただし、上空150m以下であれば飛行可能です。東京タワーの大展望台ぐらいの高さですので、高度制限として特別厳しいというわけではありません。ただ、目視で距離を図ることは難しいので注意しましょう。

もし150m以上の飛行をする場合は、国土交通省に申請し、国土交通大臣の許可が必要となります。

2:空港や空港周辺の上空

空港および空港周辺でのドローン飛行は禁止です。航空法によって航空機の安全な離着陸を確保するための範囲が定められています。国内の主要空港(羽田、成田、関西、千歳、那覇など)の半径24キロメートル。その他の空港では半径6キロメートルでドローン飛行は禁止です

3:人口集中地区(DID地区以外)の上空

人口集中地区とは国勢調査によって人口密度の高いと指定された場所であり、落下のリスクからこの地区でのドローン飛行は禁止されています。

東京・大阪に限らずほとんどの全国の主要都市は、この人口集中地区に当てはまるため、ドローン飛行は避けましょう。

また、工業地帯、公園などは人口密度が低い場合でも人口集中地区に含まれることがあるため注意が必要です。

4:国の重要施設とその周辺約300m

国の重要施設内、および周辺のドローン飛行は禁止です。(皇居、首相官邸、国会議事堂、危機管理行政機関、最高裁判所庁舎など)。

ドローンを飛ばすには、施設の管理者に許可を得た上で警察署へ連絡という形で手続きを申請しなければならず、また場所によって手続きも異なります。飛行させたい方は、管轄である警察庁の公式ホームページにてご確認ください。

警視庁:小型無人機等飛行禁止法に基づく通報手続の概要

5:国の重要文化財の周辺

国の重要文化財内、および周辺では、飛行が禁止されています。ドローンが落下し、重要文化財が損なわれるといったケースを未然に防ぐためです。

撮影をする場合には、必ず管理者の許可を得てから操縦をしてください。また管理者からの許可を得た上で管轄の警察署へ連絡という手続きもあります。

あくまで飛行禁止の例外としての手段ですので、何か特別な理由のない場合には避けた方が無難です。

6:自治体が管理する公園

落下やケガのリスクなど、利用者に迷惑がかかる理由から自治体が管理している公園でのドローン飛行は条例で禁止されていることが多いです。特に東京都が管理しているすべての公園でドローンの使用は禁止されています。使用する際には、管理者の許可と申請手続きが必要です。

7:他人の私有地およびその上空

他人の私有地に許可なくドローンを飛ばすことは禁止です。土地の所有権は民法によって定められ、上空も土地の所有者に権利が認められています。

マンションや戸建てに限らず、レジャー施設、観光地、民有林など個人や企業が所有している場所は私有地ですので、お気を付けください。

8:火災が発生した現場周辺の緊急用務空域

火災や地震などの自然災害が起きた緊急時に、救助活動を行う有人機の安全を確保するため該当区域をドローン・ラジコンの飛行禁止にしています。2021年6月1日より新たに追加されました。

過去、災害時に報道機関や個人のドローン操縦によって災害救助に支障が出たため出来た経緯があります。ドローンを飛ばす前に、まず緊急用務空域ではないか必ず確認を。

紹介した場所での許可・申請のないドローン飛行は航空法違反となり、罰則が科せられますのでご注意ください。

ドローンの許可が飛行方法によっては必要

これまでドローン飛行が禁止されている区域について説明しましたが、続いては飛行方法で禁止される場所や条件について説明します。

  • 夜の操縦(夜間飛行)
  • 視界から見えない場所の飛行(目視外飛行)
  • 人や動物、車などの物の30m以内に近づく
  • コンサート、イベント上空での飛行
  • 農薬などの危険物を輸送する飛行
  • 軽いものでもドローンから物体を落下させること

ちなみに上記の飛行方法は、地方航空局長の承認が必要となります。

また飛行方法以外にも

  • 酒気を帯びる、または薬物を使用後に飛行しない
  • 飛行前確認
  • 航空機や他の無人航空機と衝突させないように飛行すること
  • 他人に迷惑をかける方法で飛行しない

など、飛行を行う前に順守する項目があります。詳細を知りたい方は国土交通省のホームページをご確認ください。

国土交通省:無人航空機の飛行方法

規制なし、無許可で飛ばせる場所はある?

無許可で飛ばせる場所はあります。ただし、これも条件があり、場所も限られていますので、その条件と場所について紹介していきます。

1:飛行禁止区域外の河川敷

河川敷では、無許可で飛行が可能です。

ただし、上空150m以下であることや人口集中地区ではないこと、禁止されている飛行方法以外であること、禁止区域外であること、管理者が飛行を禁止していないなどの条件をすべてクリアしていることが前提です。

上記の条件が1つでもクリアしていなければ飛ばすことはできません。

必ず禁止区域ではないか、禁止されている飛行方法ではないか確認の上、飛ばしましょう。また条例や法律で禁止されていなくとも他の利用者の迷惑にならないようマナーを心掛けてください。

2:私有地(自分が保有する土地)

操縦者の私有地なら許可も申請も必要ありません。しかし民法では厳密にどこからどこまでが自分の所有する空間であるかは明記されていません。(一般的に上空300m、地下40mまでが所有権の範囲といわれています)。

心配な方は国土交通省や管轄の警察署、地方自治体に相談しましょう。

たとえ私有地であっても許可や申請なく禁止区域での飛行や、禁止飛行はできませんのでご注意を。

3:家などの屋内

自宅内・屋内でのドローン飛行に許可・申請は必要ありません。ですが、もともと上空を飛行することを目的として造られているため、自宅内、屋内での飛行には適しません。操縦するには相当な技術が必要でしょう。

4:ドローン練習場またはドローンスクール

練習場およびスクールでの飛行は許可も申請もいりません。

初心者の方は練習場かドローンスクールで操縦技術を習得するのがいいかもしれません。

当然ですがドローンの破損やトラブルが起こった際は、自己責任となる施設が多いようです。高額なものを購入した場合にはドローン保険加入も視野に入れてください。

練習場も屋内と屋外両方ありますが、まずは施設の広さが確保された屋内で。屋外のドローン飛行は強風にあおられたり、雨にさらされたり、操縦ミスによって紛失してしまうなどといったトラブルが起きやすいです。慣れるまでは練習場やスクールで練習しましょう。

ドローンは国家資格もある

ドローンは無資格でも飛ばせますが、国家資格として無人航空機操縦者技能証明という資格があり、取得するとドローン飛行の許可・申請が緩和されます。

※ただし、立入管理措置(ドローンを飛ばす場所に第三者の立ち入りを制限すること)は必要。さらに詳しく知りたい方は国土交通省の公式ホームページをご覧ください。

国土交通省:無人航空機操縦者技能証明等
国土交通省:飛行許可・承認制度の概要

空撮も物流もスクールで資格をGET

ドローンの飛行技術を学びたい初心者の方におすすめなのが学校に通うことです。

たとえば、「KDDIスマートドローンアカデミー」。学びたい目的に合わせたコースが設けられているのが特徴。国家資格取得コース(一等・二等無人機飛行操縦士の取得コース)や領域コース(点検、測量、物流、セキュリティに関するドローン操縦技術を学ぶコース)に分かれ、各分野のプロフェッショナル育成を目指した実践的なカリキュラムが組まれています。

このほかにもスクールはありますので、通いやすいエリアで調べてみてはいかがでしょう。

ドローンを趣味にしてみよう

ドローンを飛ばすには禁止事項も多く、もっとお手軽に始められると考えていた方にとっては、意外だったかもしれません。迷惑をかけず安全にドローン飛行を楽しむには正しい知識と操縦技術が必要となります。ですが、それらを一度身につけてしまえば、ビジネスに活用したり、自分が空を飛んでいるような疑似体験もできてしまう、素晴らしいツールでもあります。 ルールやマナーを守った上で、まずは趣味のひとつとしてドローンに挑戦してみてはいかがでしょう。

※ 本記事は2024年8月9日時点の内容です。

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