横浜中華街に来たら肉まんを食べよう

中華街を歩くとあちこちで販売されている肉まん。お肉の良い匂いにつられて、つい買ってしまった経験のある方も多いのでは？

横浜中華街にも多くの肉まん販売店がありますが、どの店もおいしそうで、どれを選んだらよいのかわからず迷ってしまいますよね。

今回は「肉まんが好き」「中華街でおいしい肉まんを食べたい」「お土産に持って帰りたい」という方のために、10店の肉まんを食べ比べしてみました。それぞれの皮、中身のお肉や具材にあたる「餡」の違いを知ってから、ぜひ気になるものを見つけてみてください。

萬珍樓

130年の歴史ここにあり！ 素材にこだわった伝統の味

「萬珍樓（まんちんろう）」は、横浜中華街を代表する老舗中華料理店。創業は明治25（1892）年で、130年以上の歴史を誇ります。本店の隣に構えるギフトショップでは、「肉饅」を蒸したて、お持ち帰り（冷蔵）どちらも1つ税込450円で販売中です。

萬珍樓の肉まんは素材にこだわっています。小麦が香る、ほのかに甘い皮には北海道産小麦「春よ恋」を使用。強いグルテンの力で独特のもちもち食感に仕上げています。

中の餡は豚肉と玉ねぎのみというシンプルな作り。お肉は「和豚もちぶた」という銘柄ぶたのなかでも優秀な豚を厳選しています。玉ねぎは国産に限り、季節によって異なる産地からいちばんおいしいものを仕入れているのだそう。

味つけは塩味で決して濃くはないものの、お肉のうまみと玉ねぎの甘みがダイレクトに感じられます。上質な素材だからこそ為せる技です。

創業当時から約1世紀にわたって受け継がれてきた伝統の味をぜひ一度試してみてください。

店舗名	萬珍樓（まんちんろう） ギフトショップ
住所	神奈川県横浜市中区山下町153
営業時間	11:00〜21:30
定休日	月曜（祝日除く）
アクセス	JR京浜東北根岸線：石川町駅から徒歩約5分／関内駅から徒歩約7分 みなとみらい線：元町中華街駅から徒歩約5分／日本大通り駅から徒歩約5分
駐車場	近隣に有料パーキングあり （売店3,000円以上の利用で1時間無料）
公式サイト	https://www.manchinro.com/

江戸清

言わずと知れた有名店。うまみの秘密は魚介系素材

明治27（1894）年に精肉店として創業した「江戸清（えどせい）」。「中華街で肉まんと言えば、江戸清」という人もいるほどの有名店で、お店の前にはいつも人だかりができています。中華街本店では蒸したてはもちろん冷凍でのお持ち帰りも購入可能。販売名は「ブタまん（税込600円）」です。

ちょっと割れてしまいました……が、何より驚くのは迫力あるサイズ感。直径は約12センチほどと中華街の平均サイズですが高さが約6センチほどあって、横からのアングルは肉まんで想像する楕円ではなく山のような形です。

高さの分だけ餡もしっかり詰まっています。豚肉と野菜が詰まっているとともに何か違う味も……。成分表を見ると、紅ズワイガニ、エビも入っていることが判明！ 魚介のうまみも凝縮されて他とは違う深い味わいになっています。こんなに大きくて具材たっぷりで、贅沢な気分です。

持ち帰り用の冷凍ブタまんは消費期限が長いのも嬉しいところ。食べ歩きでひとつ、お土産にひとつふたついかがでしょう。

店舗名	江戸清（えどせい）本店
住所	神奈川県横浜市中区山下町192
営業時間	月〜金　10:00～19:30 土　　　10:00〜21:00 日　　　10:00〜20:30
定休日	なし
アクセス	みなとみらい線：元町・中華街駅から徒歩約5分 JR根岸線：石川町駅から徒歩約8分
駐車場	なし
公式サイト	https://www.edosei.com/

華正樓

しゃきしゃき食感と肉汁のハーモニーが絶品

「華正樓（かせいろう）」は、昭和14（1939）年創業の中国料理専門店。高級食材をつかった本格的なメニューが種類豊富に揃う人気店です。横浜中華街のなかで2店舗あるうちの「横浜中華街 新館」の隣にある売店で「肉まん（税込573円）」を購入できます。

横浜在住の人のなかにも華正樓の肉まんファンが多いそうで、この日もひっきりなしに人が訪れていました。冷蔵のみで食べ歩き用の販売はないので注意です。

ふっくらとしていて、直径も平均よりひと回り大きいですね。柔らかくて弾力のある皮です。高さは約6センチくらいで、こちらも平均より高め。

ひと口食べると訪れるしゃきしゃき食感！ 正体はタケノコとネギです。全体的に具材の切り方が大きくて食感が楽しく、満足感があります。しっかり醤油で味つけされた肉汁が皮に染み込んで、次のひと口もさらにおいしいという無限ループに……。

消費期限は3日と短めなので、お気をつけを大きいのでお腹をすかせてから食べてくださいね。

店舗名	華正樓（かせいろう）横浜中華街新館売店
住所	神奈川県横浜市中区山下町164
営業時間	日～金　10:00～20:30 土　　　10:00～21:00
定休日	なし
アクセス	みなとみらい線：元町・中華街駅から徒歩約3分
駐車場	契約駐車場あり
公式サイト	https://www.kaseiro.com/

皇朝

計算された究極のサイズとチャンピオンの味

「チャンピオン肉まん」という看板の文字が眩しい「皇朝（こうちょう）」は、その名の通り中国料理世界大会の歴代優勝者が在籍するお店。とくに肉まんは人気で、累計売上個数1億個を突破しているのだとか。

「点心舗 本店」では食べ歩き用、お土産用（冷蔵）ともに販売しており、店内にはイートインスペースもあります。

特徴はこの小ぶりなサイズ。直径は5センチほどなので、ほかの半分より小さいくらいでしょうか。餡と皮の調和を最大限にするために計算された究極のサイズだそう。

かわいらしい見た目ですが、味はしっかり本格派です。食べた瞬間に感じる肉肉しさ。それもそのはず。こだわって選んだ豚肉をふんだんにつかい、つなぎは最小限にしているのだそう。ぶにっと押すと肉汁もじゅわっと出てきて、むむう、大きさが小ぶりなので1つでは足りない……！

ですがご安心を。食べ歩き用には3個入（税込360円）から、お持ち帰りは10個入（税込1,200円）で販売されています。

持ち帰りの冷蔵品にはチャーシューまんとのセットも。チャーシューまんはごろっと食感と甘辛タレが絶品なので、ぜひ違いを楽しんでくださいね。

店舗名	皇朝 点心舗 本店
住所	神奈川県横浜市中区山下町154
営業時間	月～木・日　10:00～20:00 金・土・祝前日　10:00～20:00
定休日	なし
アクセス	みなとみらい線：元町・中華街駅から徒歩約6分 みなとみらい線：日本大通り駅から徒歩約6分
駐車場	なし
公式サイト	https://www.ko-cho.com/

横浜中華街 北京飯店

老舗中華のお土産は具材たっぷりで贅沢な「五目まん」

元町・中華街駅から中華街大通りへ歩くと、豪華絢爛な装飾で私たちを出迎える朝陽門（ちょうようもん）。そのすぐそばに「横浜中華街 北京飯店」があります。1955年の創業以来、伝統的な北京料理を提供し続けて約70年。看板メニューは北京ダックです。

そんな老舗中華料理屋の店頭ではお土産用に各種中華まんを販売しています。創業当時から手作りにこだわりがあるそう。人気ナンバーワンは「五目肉まん（税込500円）」。

手に持つとずっしりと重みがあります。大きさや皮の厚みはそんなに他と変わらないので、中身が詰まっている証拠です！

わくわくしながら食べると、中にはたっぷりの具材が！ たけのこ、青菜、しいたけ、お肉……ずっしりしていたのも納得です。「五目まん」というだけあって、青菜まで入っているのは他にない点ですね。そして角切りバラ肉の贅沢感たるや！ これひとつでお食事と言って良さそう。

他にも「野菜まん」や「桃まん」などさまざまな中華まんがあります。元町・中華街駅から徒歩約1分なので中華街を楽しみ終わった最後のお土産にぜひ。

店舗名	横浜中華街 北京飯店
住所	神奈川県横浜市中区山下町79-5
営業時間	11:30〜21:00
定休日	なし
アクセス	みなとみらい線：元町・中華街駅から徒歩約1分 JR根岸線：石川町駅から徒歩約10分
駐車場	なし ※近くに提携駐車場あり
公式サイト	https://pekinghanten.com/

中華菜館 同發

ふっくらした皮と塩味の餡で、上質な定番品に

「中華菜館 同發（どうはつ）」は、焼き物、乾物のお店として明治時代に創業。以降は本格的な広東料理店として名を馳せる有名店です。売店は2店舗展開していて、「豚肉包（トンローパオ）」という販売名で冷蔵の肉まんを2個入り税込900円で販売しています。

ほぼ球体に思えるほど高さのある見た目がころんとしていてかわいらしい。

高さは約6.5センチほどで平均より高め。皮はぶ厚めでふかふかした手触りです。

餡はさっぱり塩味、かつ厚い皮は甘さ控えめで全体的に優しい味付け。余計なものは省いた「これぞ肉まん」という風格が漂います。荒めの豚肉と玉ねぎはしっかり噛みごたえあり！ 厳選した国産豚肉を使用しているそうで、なるほど、素材の味を活かすための味付けと切り方なのですね。

お店の手前に並べられた月餅も看板商品なので、一緒にお土産にするのもおすすめですよ。

店舗名	中華菜館 同發 別館売店
住所	神奈川県横浜市中区山下町148
営業時間	11:00～21:30
定休日	なし
アクセス	みなとみらい線：元町・中華街駅から徒歩約3分 JR京浜東北根岸線：石川町（元町・中華街）駅から徒歩約7分
駐車場	あり
公式サイト	http://www.douhatsu.co.jp/

頂好食品

しいたけの風味と濃い醤油味が食べごたえ抜群

屋台のような出で立ちで気軽に立ち寄れる「頂好食品（ちょうこうしょくひん）」。手作りの中華菓子や点心を販売しています。店頭のお菓子たちを眺めていると普段着の店員さんが気さくに話しかけてくれて、まるで常連さんの気分。肉まんは冷蔵のお持ち帰り用で3個入り税込1,350円で購入できます。

絵に描いたようなひだとふっくらしたこのフォルム、良いですよね。個人的なビジュアル部門ナンバーワンです。

特徴的なのはしいたけの存在感。大きめにカットされているので、これまでにあった五目まんよりしいたけの風味が強く、存分に楽しめます。同じくたけのこ、キャベツ、豚肉もざっくりカットで、個人的には嬉しい食感。さらに具材に染み込んだ濃ゆい醤油味がガツンときて、食べごたえは十分です。

中華菓子店ということで「ココナッツ団子」もおすすめなのだとか。お土産には肉まんを、食べ歩き用にこちらもいかがでしょう。

店舗名	頂好食品
住所	神奈川県横浜市中区山下町137
営業時間	10:00～21:00
定休日	不定休
アクセス	みなとみらい線：元町・中華街駅から徒歩約8分
駐車場	なし
公式サイト	なし

紅棉

小ぶりなサイズで野菜たっぷり。女性に嬉しい肉まん

1952年、関帝廟通りで創業した「紅棉（こうめん）」。創業以来、昔ながらの味にこだわり、皮も餡もすべて手作りで製造し続けてきました。伝統的技法を引き継ぎ、保存料などの添加物を一切つかわないことにもこだわっています。「肉まんじゅう」はテイクアウトのみ。1つ税込330円で冷凍販売されています。

他よりひと回りほど小ぶりなサイズ。ぎゅっとされたようなひだから手作りというのが伝わりますね。

皮は今回食べたなかで、もっとも甘めかなと思います。中はしっとりしていてまるで蒸しパンのよう。生地だけでもこのまま食べ進められちゃいそうです。

餡はしゃきしゃき感強め。豚肉よりたけのこのほうが割合多めのようです。あっさりとした味付けで肉肉しさが薄いのですが、自家製だというタレがやみつきになるおいしさ。筆者は食いしん坊なので「もうひとつ……！」と思ってしまいました。満足したいけど罪悪感を感じたくないときの夜食にも良さそうです。

じつは紅綿はエッグタルトの名店としても知られています。サクッとしたパイ生地にトロンとしたプリンが大人気。食べきりやすい大きさなのでお立ち寄りの際はおためしあれ。

店舗名	紅棉（こうめん）
住所	神奈川県横浜市中区山下町190
営業時間	10:00〜20:00
定休日	なし
アクセス	みなとみらい線：元町・中華街駅から徒歩約8分
駐車場	なし
公式サイト	https://www.koumen.co.jp/

大三元酒家

生姜が効いた他にない唯一無二の味わい

「大三元酒家（だいさんげんしゅか）」は昭和36年創業の上海料理店。家庭的な雰囲気を大事にしていて、気軽に本格中華を楽しめます。肉まんを始め、シュウマイや餃子、花巻などの点心は店頭でも販売中。普通サイズの「肉まん（大）」は1個税込350円です。

ひだが浅くてつるっとした見た目。香港から来た点心師の方が手作りしているのだとか。皮はぶ厚めで、ふかふか。断面を見たときの具との割合も五分五分に近いですね。

食べてびっくり。これまでとは一味違い、生姜がかなり効いています。角切り肉、ネギ、たけのことともに刻んだ生姜も入っているんです。鼻に抜ける生姜の香りが新鮮！ また、餡の色が他に比べて濃いのですが、見た目通りしっかり濃いめの味付けです。

生姜好きの方にはぜひおすすめしたい一品。肉まんは小サイズも販売しているので、あんまんや肉ちまきなどの他の点心と併せて購入してもいいですね。

店舗名	大三元酒家（だいさんげんしゅか）
住所	神奈川県横浜市中区山下町136
営業時間	11:00～22:00（L.O.21:30）
定休日	不定休
アクセス	みなとみらい線：元町・中華街駅から徒歩約5分 JR根岸線：石川町駅から徒歩約6分
駐車場	なし
公式サイト	なし

大珍楼

お肉と野菜の計算し尽くされたバランス

昭和24（1947）年創業の広東料理店「大珍楼（だいちんろう）」。老舗の伝統技術がつまった本場の味がリーズナブルにいただける「オーダー式食べ放題」が人気です。お店手前には屋台形式で売店が出ています。肉まんにあたる「大肉包（ダイローパオ）（塩味）」は税込430円。蒸したてもお土産用の冷蔵も販売しています。

ぷるんとした見た目で、ほんのり甘くふわふわの皮。保存料や添加物を極力避け、職人が一つひとつ丁寧に包むことにこだわっています。

豚ひき肉とキャベツ、玉ねぎのシンプルな組み合わせ。全体的に塩味であっさりと仕上げています。野菜の割合が多めではありますが、国産豚肉は粗めの挽きで食べごたえも抜群。お肉と野菜どちらの良さも出ていて、味的にも栄養的にもバランスの良い一品です。味変でパンチがほしい場合は辛子醤油をつけて食べるのもおすすめだそう。

ちなみに、お持ち帰り品のポイントは、袋のまま電子レンジに入れてすぐ食べることができる点。蒸し器がないお家でも、できたてのおいしさが簡単に再現できます。

店舗名	横浜中華街 広東料理 大珍楼（だいちんろう）
住所	神奈川県横浜市中区山下町143
営業時間	11:00〜21:00
定休日	不定休
アクセス	JR根岸線：石川町駅から徒歩約6分 みなとみらい線：元町・中華街駅から徒歩約6分
駐車場	なし
公式サイト	https://daichin.co.jp/

食べ歩きもお土産も。お気に入りの肉まんを見つけよう

横浜中華街の肉まん10店を食べ比べてみて思ったのは、こんなに違いがあったんだ！ ということ。それぞれのお店に特徴があり、順位をつけようにも好みで分かれそうな気がしました。

また、中華街の肉まんはどれも大きい！ 今回測ってみた結果からすると、12センチくらいが標準のようです。筆者はおよそ9センチほどだというコンビニの肉まんに慣れていたので、毎回テンションが上がっていました。大きい肉まんを頬張る瞬間の多幸感ったらないですね。

ぜひ今回の情報を参考に、どの肉まんにするか選んでみてはいかがでしょうか。もちろん食べ比べも楽しいですよ。

※本記事は2023年11月15日時点の内容です

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