全国にはさまざまなゴミ拾いボランティア団体があります。街中などの身近な場所や海岸など、活動場所もさまざまです。この記事ではゴミ拾いボランティアの魅力や参加方法、活動実績が豊富なオススメのボランティア団体を紹介していきます。暖かくなるこれからの季節にぴったりの楽しく参加できるイベント型のゴミ拾いボランティアもあるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
この記事の目次
ゴミ拾いボランティアとは
ゴミ拾いボランティアとは、海岸や河川、公園などのさまざまな場所でゴミ拾いや清掃を無償で行う活動のことです。
近年、深刻化する環境問題や世界的に注目を集める「SDGs」などの関係で、ゴミ拾いボランティアへの関心も高まっています。「ゴミを拾う」という一見シンプルで簡単に思えることも、世界中で課題とされている環境問題解決への一助となる大切な行動といえるでしょう。
ゴミを拾うだけではない?飽きずにできる楽しい工夫がいっぱい!
ゴミ拾いボランティアの対象となるゴミの種類は、空き缶やペットボトル、煙草やお菓子の袋まで実にさまざまです。こうしたゴミは街中の目立つ場所に落ちていることもあれば、街路樹や自動販売機の下など、注意深く探さなければ見つからないような場所に捨てられていることもあります。
活動時間は30分~1時間程度ですが、歩きながら小さなゴミを一つひとつ拾っていくのはとても根気のいる作業です。ただ黙々とゴミを拾うだけでは飽きてしまいそうですよね。
そこで最近では、「楽しいゴミ拾い」をコンセプトにした、ゲーム感覚で参加できるゴミ拾いイベントも多く開催されています。例えばチームごとに拾ったゴミの重量で勝負したり、与えられたミッションをクリアしてポイントを稼いだり……といった具合です。
もちろん普通のゴミ拾いでも達成感は格別。たくさん汗をかいて、仲間たちと頑張ったあとに食べるごはんの味は格別ですよ!
どこで参加できる?活動場所や特徴を解説
ゴミ拾いボランティアの活動場所はさまざまです。代表的な場所としては、海岸や河川、公園、街中、お祭りや花火などのイベント会場などが挙げられます。
海岸のゴミ拾いボランティア
ビーチクリーンと呼ばれる、海岸や浜辺で行われるゴミ拾いボランティアです。浜辺などにあるプラスチックをはじめとしたさまざまなゴミを拾うことで、ゴミが海へ流出するのを防ぎ、きれいな海を守ることを目的としています。
河川のゴミ拾いボランティア
海岸と同じように、河川沿いのゴミ拾いボランティアも活発に行われています。街のすぐ近くを流れる川を美化することで、身近な生活環境の改善に貢献している、という実感や充実感を得られるでしょう。
公園・街中のゴミ拾いボランティア
「海や河川まで行くのはちょっと……」という人には、公園や街中など身近で実施されているゴミ拾いボランティアに参加するのがオススメ。目的地までの交通の便が良いため気軽に参加できますし、活動の様子が地域住民や通行人目にとまることで、ゴミのポイ捨てなどを減らす啓発効果も期待できます。
イベント後のゴミ拾いボランティア
花火大会やフェスなど大勢が集まるイベントでは、終了後に大量のゴミが散乱している様子をしばしば目にします。こうしたゴミを片付けるのがイベント後のゴミ拾いボランティアです。過去にはこのような活動が実際に行われました。
「ハロウィンごみゼロ大作戦 in 渋谷 実行委員会」と渋谷区が共催したゴミ拾いボランティアのイベントです。オフィシャルサイト(https://shibuya-gomizero.org/)には、仮装した大勢の人たちがゴミを拾う姿が掲載されています。
なにわ淀川花火大会に合わせて、大阪青年会議所が当日のゴミ掃除や翌日清掃ボランティアを募集しました。サイトにはボランティアが活動している様子や、ゴミが散乱していた場所がすっかりきれいになった様子などが掲載されています。
参加する方法は?気になる服装や持ち物とは
ゴミ拾いボランティアの一般的な参加方法や服装などについてご紹介します。
【参加方法】
1.インターネットやSNSを通してゴミ拾いボランティアを実施している団体を探す
2.参加申し込みをする(申し込み予約不要のところもあります)
3.団体から事前に指示された集合場所・時間に合わせて行く
4.挨拶や注意事項の共有を受けたのち、指示に合わせてゴミ拾い開始
5.イベントによっては活動終了後に懇親会を開催するところも
【服装】
・長袖長ズボン…ゴミ拾いを行う場所は海岸や草木の茂る公園の中などが多いため、虫刺されや怪我の防止のため手足を覆う服装が安心。夏場は活動中にだけ羽織れるように薄手のカーディガンなどを持参すると良いですよ。
・靴…長靴などの指定がなければ基本的に滑りにくい運動靴が最適。サンダルやヒールなどは怪我をする恐れがあるので避けてください。
・帽子…必須ではありませんがあると便利。暑い日差しから頭を守ってくれるので熱中症予防にも役立ちます。
【持ち物】
・ゴミ袋…団体が用意している場合がほとんどですが、なかには参加者が持参するところもあります。
・軍手…安全面・衛生面のために必須です。防水用や厚手の軍手があると安心ですが、100円ショップなどで手に入るものでも問題ありません。
・トング…手で拾うと危険なゴミや草むらの奥にあるゴミなどを拾う場面で活躍します。持ち手が長めのものなら、拾うときに屈まなくても良いので体への負担も軽減されます。
・水筒…ゴミ拾いは汗をかくため、こまめな水分補給が大切です。水筒を持参していつでも飲めるようにしましょう。
・リュックやポシェット…貴重品やタオルなどの荷物は、両手がふさがらないリュックかポシェットなどに入れると良いでしょう。活動の邪魔にならないよう荷物は最小限にとどめるのも忘れずに。
ゴミ拾いボランティア団体の探し方
活動場所ごとに特化したボランティア団体の探し方をご紹介します。
【海岸・河川】
海岸のゴミ拾いボランティア団体を探す方法のひとつがポータルサイトの活用です。たとえば「BLUE SHIP」というサイトでは、トップページから都道府県・開催日・キーワードを入力するだけで、条件に合わせたイベントや団体を簡単に見つけることができます。
詳細ページには開催日時・集合場所・参加費用・予約有無がまとめられているので、まずはどんなイベントがあるのか見てみるだけでも参考になりますよ。
河川のゴミ拾いに特化した団体に「全国川ごみネットワーク」があります。海と同じように川のプラスチックゴミも問題視されており、30団体以上が所属し全国の環境保全のためにゴミ拾いボランティアを推進しています。
この団体の特徴はゴミ拾いに学びをプラスする活動をしていることです。小学生を対象にゴミについて考える授業を実施したり、実際にゴミ拾いを行ったりしています。
【公園・街中】
全国のさまざまなボランティア活動を紹介するサイト「activo」では、キーワードにゴミ拾いと入れて検索すると全国で実施予定のゴミ拾いイベントを探すことができます。
例えば「activo」内で紹介されているKYOTO Kamogawa Clean-Upは、京都の鴨川を中心に市街や観光名所の清掃を行っている任意の団体。京都という土地柄、まるで遠足や修学旅行にきたような気分で、美しい景色のなかボランティア活動に参加することができます。
【イベント】
ハロウィンや花火大会といった大きなイベント終了後には、ゴミ拾いボランティアを募集することがあります。「花火大会 ゴミ拾い」などとインターネットで検索してみると、全国の情報を見つけることができますよ。
ゴミ拾いボランティアの魅力
社会貢献に参加できる
社会貢献と聞くと大袈裟な印象を受けるかもしれませんが、ゴミ拾いボランティアも立派な社会貢献のひとつです。
自ら発起して大きな行動をはじめるのはハードルが高くても、気軽に参加できるボランティア活動であれば、難しい準備も不要で楽しく参加することができます。
仲間づくりができる
「街をきれいにする」というひとつの目標に向かって活動するなかで、自然と結束力が生まれ同じ価値観を持った仲間ができるのもゴミ拾いボランティアの醍醐味。
普段はあまり関わりのない世代とも幅広く交流ができるので、人脈を広げることもできますよ。
多くの人に感謝される
ボランティア活動をしていると「ありがとう」と直接声を掛けてもらえる機会が多くあります。その度に「誰かの役に立てて嬉しい!」と実感し、モチベーションアップにもつながりますよね。
日々の生活のなかで、見ず知らずの人から感謝してもらえることはなかなかありません。ボランティアに参加した人たちも、同じように周りの人に「ありがとう」と伝えることで、ますます幸せの連鎖が広がっていきますよ。
ゴミ拾いボランティアのオススメ団体5選
ゴミ拾いボランティアを開催しているオススメの団体をご紹介します。
【1】greenbird(グリーンバード)
「greenbird」は、「きれいな街は、人の心もきれいにする」をコンセプトに誕生した原宿表参道発信のプロジェクト。日本のみならず海外まで活動拠点を広げ、自分たちが住む街をもっとキレイで、もっとカッコイイ街にするために“KEEP CLEAN, KEEP GREEN.”を合言葉に活動を続けています。
北は札幌から南は沖縄まで、そしてイタリアやシドニーなど世界各国にチームがあり、公式サイト上のスケジュールから各地の活動予定をみることができます。
各イベントの詳細ページから予約ができるようになっているので、気軽に参加申し込みできますよ。
団体情報
団体名 | 特定非営利活動法人 green bird(認定NPO法人 グリーンバード) |
住所 | 東京都渋谷区神宮前6-35-3号 コープオリンピア732号 |
TEL | 03-5469-5318 |
FAX | 03-5469-5338 |
公式サイト | https://www.greenbird.jp/ |
【2】まるごみJapan
「NPO法人まるごみJAPAN」が行う事業の一環で、全国まるごとゴミ拾いを通して「いいまちづくり」を目指すプロジェクト。2006年に環境改善活動団体として発足した同団体は、ゴミ拾いだけでなく東日本大震災はじめとした、全国各地で起きている災害の被災地支援も行っています。
公式ページの下には全国各地にある「まるごみ」活動の最新情報が掲載されています。興味がある方はぜひ身近な地域をチェックしてみてください。
団体情報
団体名 | 特定非営利活動法人 まるごみJAPAN |
住所 | 千葉県南房総市白浜町滝口6241-1 |
TEL | 0470-29-5991 |
FAX | 0470-29-5991 |
公式サイト | http://marugomi.jp/ |
【3】海さくら
「NPO法人海さくら」は、2005年12月より活動開始。江の島の海にかつて生息していた「タツノオトシゴ」が戻ってくるようなキレイな海にするため、日本一楽しいゴミ拾いを目指してユニークなイベントを開催しています。
現役のお相撲さんとゴミ拾いをしたあと、土俵で相撲を取る「どすこいビーチクリーン」や、海の日に青いサンタクロースに扮してゴミを拾い子供たちにきれいな海をプレゼントする「BLUE SANTA」といったワクワクするようなビーチクリーンイベントが満載!
各イベントの特設ページに詳細が記載されているので、気になるイベントを見つけて友人同志や親子で参加してみてはいかがでしょうか。
団体情報
団体名 | NPO法人 海さくら |
住所 | 東京都目黒区柿の木坂1-23-14 海さくら事務局 |
TEL | 03-5726-9941 |
FAX | 03-5726-9942 |
公式サイト | https://umisakura.com/ |
【4】荒川クリーンエイド・フォーラム
東京都荒川区を活動の拠点としている「荒川クリーンエイド・フォーラム」は、20年以上続く河川のゴミ拾いボランティア団体のひとつ。活動範囲は上流の秩父市から東京湾の葛西海浜公園東なぎさまでと広範囲に渡り、年間で150会場以上1.3万人が参加する大規模な団体です。
ボランティア活動への参加は、公式サイト内の開催予定クリーンエイド一覧から気軽に申し込み可能。月に1~2回定期的に開催している固定のイベントもあるので、何回か参加すればゴミ拾いボランティア仲間ができるかもしれませんね。
団体情報
団体名 | 特定非営利活動法人 荒川クリーンエイド・フォーラム |
住所 | 東京都江戸川区東小松川3-35-13-204 NICハイム船堀(小松川市民ファーム内) |
TEL | 03-3654-7240 |
FAX | 03-3654-7256 |
公式サイト | https://cleanaid.jp/ |
【5】かながわ海岸美化財団
「かながわ海岸美化財団」は、1991年に神奈川県と相模湾沿岸の13市町等によって設立された日本で唯一の海岸美化専門の団体。事前登録や実施後の報告などの煩わしい手続きなしで、ビーチクリーン活動をしたい人たちを無償でサポートしています。
365日いつでも参加可能で、横須賀市走水海岸~湯河原町吉浜の間の自然海岸の範囲であれば自由にゴミ拾いをすることが可能。財団への連絡一本でゴミ袋の提供とゴミの回収を一括で行ってくれます。
知らない人と一緒にボランティアに参加するのが不安という初めての方は、まずは仲間内で計画を立てて自分たちだけで実施してみるのもオススメですよ。
団体情報
団体名 | 公益財団法人 かながわ海岸美化財団 |
住所 | 神奈川県茅ケ崎市汐見台1-7 |
TEL | 0467-87-5379 |
FAX | 0467‐87‐5340 |
公式サイト | https://www.bikazaidan.or.jp/ |
【番外編】ソーシャルスポーツイニシアチブ
「ゴミ拾いはスポーツだ!」のコンセプトのもと、さまざまな企業や自治体とタイアップして「スポGOMI」というイベントを開催する団体「ソーシャルスポーツイニシアチブ」。従来のゴミ拾いにスポーツの要素を加えることで、他にはない競技としてのゴミ拾いを体験することができます。
参加したいイベント内の申し込み方法に従って参加。あくまでスポーツとしてチーム対抗戦で実施されるため、家族や友人、職場の仲間たちとチームを結成し各大会に参加しましょう!
団体情報
団体名 | 一般社団法人 ソーシャルスポーツイニシアチブ |
住所 | 東京都港区北青山2-10-29 |
TEL | なし |
FAX | なし |
公式サイト | https://www.spogomi.or.jp/ |
身近なゴミ拾いボランティアを探してみよう
今回は、ゴミ拾いボランティアについて活動内容や参加可能なボランティア団体5選をご紹介しました。ここに載っているボランティア団体のイベントはどれも気軽に参加できるものばかり。
「今まで興味はあったけど参加する勇気がない」「どうやって参加するかわからない」と思っていた人も、ぜひ本記事を参考にこの春大きな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
※本記事は2023年2月3日時点の内容です