スポーツの大会やイベント、クラブを支えるのがスポーツボランティア。運営を行ったり、監督やコーチになって技術指導を行ったりなど、活動内容は多岐にわたります。もちろん、種目もさまざまです。

この記事では、スポーツボランティアの種類や活動内容、メリット、参加の仕方について紹介していきます。

スポーツボランティアとは

文部科学省の定義によると、スポーツボランティアとは以下のような活動です。

”「スポーツボランティア活動」とは、報酬を目的としないで、自分の労力、技術、時間などを提供して地域社会や個人・団体のスポーツ推進のために行う活動”

引用元：第2期スポーツ基本計画（答申）　ー　文部科学省

一般的にはプロスポーツ、地元クラブや団体、イベントなど、さまざまな形式のスポーツ行事の運営に関わるボランティア活動を指します。

ボランティアの種類

スポーツボランティアには、大きく分けて下記の3種類があります。

アスリートボランティア	現役アスリートや元アスリートが活動するボランティア。
クラブ・団体ボランティア	地元のクラブや団体など、スポーツの練習や大会、試合で活動する。
イベントボランティア	不定期で開催されるスポーツイベントで活動する。

アスリートボランティアは、現役アスリートや元アスリートがボランティアを行います。技術を活かした活動や、知名度・人気を活かした活動などです。

クラブ・団体ボランティアは、定期的に活動するボランティアで、たとえばJリーグのボランティアがあります。横浜F・マリノス・川崎フロンターレ・セレッソ大阪など、J1に所属する強豪クラブも、ホームゲーム時にはボランティアを募集しており、下記のような業務を行います。

• チケットの確認
• 席の案内
• 車椅子観戦客の案内
• 観客席の清掃

交通費や弁当の支給、ボランティア用ユニフォームのプレゼントがあるクラブもあります。スタジアムの雰囲気を味わいながら、クラブに貢献できるため、好きなクラブがある人におすすめのボランティアです。

サッカーボランティアに興味がある方は、下記の記事をご覧ください。

サッカーボランティアってどんなことをするの？サッカー好き必見のボランティア情報を紹介！ | カラデル

イベントボランティアは、オリンピックや各競技の世界選手権などの大規模な大会から、地域の市民マラソンや運動会など、不定期に活動するボランティアです。

スポーツボランティアの活動内容

スポーツボランティアは、おもに下記のような活動を行います。

アスリートボランティア	・子どもたちに技術指導を行う ・地域のイベントを盛り上げる ・福祉施設などを訪問する
クラブ・団体ボランティア	指導者ボランティア ・技術指導（監督・コーチなど） ・クラブ運営 運営ボランティア ・チケット確認 ・掃除 ・座席の案内 ・運転 ・運搬・設営 ・広報 ・データ処理
イベントボランティア	専門ボランティア ・審判 ・通訳 ・医療 運営ボランティア ・給水 ・軽食の用意 ・受付 ・記録 ・交通整理 ・運転 ・運搬・設営

笹川スポーツ財団が2019年に行った調査によると、スポーツボランティア経験者の活動内容の割合は、下の画像のとおりです。

この結果をみると、地域のスポーツイベントの運営や世話（47.7％）、団体・クラブの運営や世話（32.9％）、スポーツの指導（29.3％）が多いようです。

このように、スポーツボランティアと一口に言っても、運営に関わるものから専門的な技術が必要なものまで、活動内容はさまざまです。

ご自身のもっている技術や、やりたい活動に合わせて選びましょう。

スポーツボランティアに参加するメリット

スポーツボランティアに参加すると、おもに以下3種類のメリットを得られます。

• いつもと違う角度からスポーツに触れることができる
• 世代を超えた交流のきっかけになる
• 知識や見聞が広がる

いつもと違う角度からスポーツに触れることができる

スポーツは、一般的に自分がプレイする・観戦する、という人が多いと思います。一方でスポーツボランティアに参加すれば、スポーツを指導する側・支える側から触れることができます。

たとえば、子どもたちに技術指導をすることで、自分が競技を始めたときの楽しさを思い出したり、自分が身につけた技術を言葉にすることでより理解が深まったり、などの発見があるかもしれません。

また、運営スタッフになることでスポーツを支える側の大変さを知り、自分がプレイするときに感謝の思いを持つこともできます。

このように、違う角度からスポーツに触れることで、またスポーツを好きになるきっかけになるでしょう。

世代を超えた交流のきっかけになる

スポーツボランティアには、老若男女、さまざまな世代の人が参加します。また、スポーツに参加するのが子どもだったり、高齢者だったりなど、普段会わない世代の人たちの場合もあるでしょう。

そのため、幅広い年代の人たちと交流できます。普段会わない人たちと交流することで、新たな友人ができる、仕事の人脈が広がるなどのきっかけになります。

また、自分が所属する新しいコミュニティができる可能性もあります。人脈を広げるために参加するのもおすすめです。

知識や見聞が広がる

スポーツイベントでは、社会・環境問題を啓蒙したり、運動と健康の関係を学べたりなど、イベント内でさまざまな活動が行われる場合があります。

スポーツボランティアを通じて、今まで知らなかった社会問題を知ったり、健康情報を知ったりなど、知識や見聞を広げられるでしょう。

また、身体のケア用品や技術を向上させるグッズのブースが出ている場合があるため、最新のスポーツに関する商品を知ることができます。

思わぬところで知識や見聞きを広められるのも、スポーツボランティアの魅力のひとつです。

スポーツボランティアに参加するには

スポーツボランティアに参加するには、ボランティア情報を探して申込みましょう。また、注意点を理解しておくことも重要です。

ボランティア情報の探し方

スポーツボランティア情報はWebサイトやボランティアセンターで探すことができます。とくにWebサイトが便利です。

もしあなたが応援しているクラブがあるなら、Webサイトを見てみましょう。ボランティアを募集している場合があります。

また、大学やNPO法人などが運営しているボランティアセンターが全国各地にあります。ボランティアを募集する団体と、ボランティアを行いたい人をつないでいるので、検索エンジンで「〇〇県　ボランティアセンター」などのキーワードで検索してみてください。

そして、多くのスポーツボランティアを募集している「スポボラ.net」や「アクティボ」のようなWebサイトもあります。

スポボラ.net

スポボラ.netは、スポーツボランティアに特化した、ボランティア募集サイトです。地域・開催日・キーワードから、さまざまなスポーツボランティアを探すことができます。

リンク：スポボラ.net

アクティボ

アクティボは、ボランティア募集サイトです。スポーツボランティアに特化したサイトではありませんが、スポーツボランティアの募集も行われています。

活動テーマを「スポーツ・アート・文化系」に絞り込むと約2600件がヒットします。そのなかか通える地域や種目名で絞ってみてください。

リンク：Activo

参加の流れ

参加したいボランティアが決まったら、参加を申し込みましょう。申込の仕方は、サイトから申し込む、電話で申し込むなど、案内に従ってください。

また、別の選択肢として「スポーツアルバイト」があります。スポーツアルバイトでは、スタジアム運営や技術指導をして、時給が発生します。スポーツ現場で働いて収入を得たい方におすすめです。

注意点

スポーツボランティアに参加する場合は「ボランティア保険」に加入しましょう。ボランティア保険とは、ボランティア活動中にケガをした場合や、他人に損害を与えてしまった場合などに、補償を受けられる保険です。

費用は1年あたり300〜1500円ほどと安価なので、ぜひ加入を検討してください。

また、数日の活動が対象の「ボランティア行事保険」も1日あたり数十円からと、さらに安価なので、短期間だけボランティアを行う場合はぜひ加入しましょう。

ほかにも、活動中の報連相をしっかり行う、ボランティアを通じて知った情報を漏らさない、他人のプライバシーに踏み込まないなど、基本的なことはボランティアでも守る必要があります。

スポーツボランティアでプライベートを充実させよう

スポーツボランティアの種類や活動内容、メリット、参加の仕方について解説しました。技術指導や大会の運営など、あなたがやりたいと思った活動、種目を探してみてください。

スポーツボランティアに参加することで、下記のようなメリットが得られます。

• いつもと違う角度からスポーツに触れることができる
• 世代を超えた交流のきっかけになる
• 知識や見聞が広がる

ぜひスポーツボランティアに参加することで、充実したプライベートを送りましょう！

※ 本記事は2023年6月9日時点の内容です。