公開日:2023年09月08日
美しすぎるモスク「東京ジャーミイ」で映える写真撮影&トルコランチを堪能!
代々木上原駅近くにある日本最大級のモスク「東京ジャーミイ」。ムスリムの礼拝所ですが誰でも気軽に見学できるため、美しい内装の写真がインスタグラムで数多く投稿され話題となっています。今回は、広報担当の下山茂さんに教えてもらった見どころと、実際に訪れた様子をお届けします。見学時の注意点もあわせてご紹介するので、ぜひ訪れる前の参考にしてください。
この記事の目次
海外気分を味わえる! 日本最大級のモスク「東京ジャーミイ」
「東京ジャーミイ」という施設をご存知でしょうか?小田急線または東京メトロ千代田線の 代々木上原駅から徒歩約5分のところにある外国風の建物のことで、正確には「東京ジャーミイ・ディヤーナト トルコ文化センター」と言います。その実体はムスリム(イスラム教徒)の礼拝所・モスクです。
伝統的なオスマン様式の建築と内装が美しく、インスタ映えするスポットとしてじわじわ話題に。礼拝所ではありますが、ムスリムでなくても気軽に見学できます。
そこで今回は、筆者が東京ジャーミイを訪れ、教えてもらった見どころをたっぷりご紹介します。まるで海外に来たかのような気分が味わえますよ。
今回案内してくれたのは……
下山茂さん
東京ジャーミイ・ディヤーナト トルコ文化センター 広報担当
見渡す限り美しい礼拝堂の撮影スポットを紹介
メインとなる礼拝堂は2階にあるので、さっそく階段を上ってなかに入ると、広い空間とその美しさに圧倒されてしまいました。
見渡す限りすべてを写真に収めたくなりますが、ここではとくに撮影してほしいポイントをしぼってご紹介。
芸術的な幾何学模様や植物紋様
壁や天井には幾何学模様や植物紋様の装飾が施されています。これは「カレム・イシ」または「カレムキャーリ」と呼ばれるトルコ・イスラーム芸術のひとつ。細かい筆使いと鮮やかな色合いに見惚れてしまいます。
流麗なアラビア書道で描かれたイスラム教の教え
また、装飾のようにして書かれているこちらはアラビア書道。アラビア語の書体をデザイン化したもので、聖典「クルアーン」の一節や預言者ムハンマドの言葉が表現されています。
ドーム天井とシャンデリアがつくる雪の結晶
礼拝堂は、6つの半円のドームが重なるようにしてひとつの大きなドームを支えている構造。真下から見上げると、シャンデリアとあわせて雪の結晶のように見えると下山さんに教えてもらいました。確かに、少し見上げる角度が違うだけで印象がだいぶ変わります。
らせん階段を上った中2階は女性専用の礼拝エリア。天井や壁の装飾、シャンデリアをより近くに感じられます。先ほどの広々とした場所よりこぢんまりとして落ち着きのある空間で、個人的に好きでした。
礼拝に立つ人々を見ることができる
ムスリムは1日5回礼拝をします。訪問者はお昼と遅い午後の礼拝を見学することができます。
礼拝は聖地メッカに向かって行われます。「ミフラーブ」と呼ばれる壁のくぼみがその方向を示しています。
筆者が立ち会った土曜日お昼の礼拝時間も、三々五々人がやって来て、やがて横一列に並び祈りを捧げていました。祈りが終わると談笑する姿も見られ、礼拝堂はお子さんから年配の方までムスリムの交流の場にもなっているようです。
筆者ははじめて礼拝の様子を見ましたが、神聖な雰囲気でこちらも姿勢を正さなくては……という感覚になります。
見学時に絶対に守らなくてはいけないのが、礼拝中の人の前は横切らないこと。それは人と神のつながりを断ち切ることを意味するので、必ず後ろから静かに見守りましょう。
礼拝堂を訪れるときの注意点
礼拝堂を見学するときの注意点をいくつか説明します。
- ノースリーブやミニスカート、半ズボンなど肌の露出が多い服装はNGです。
- 女性はスカーフやストールで頭髪を覆う必要があります。
スカーフの貸出も行われており、タイミングによってはスタッフの方に巻いてもらうこともできますが、数には限りがあるので持参するのがおすすめです。 - 礼拝堂の撮影はスマホ付属のカメラでのみ可能。礼拝中は撮影禁止です。
- 礼拝中の人の前は絶対に横切らないでください。
交流の中心となる多目的ホール、書店、応接間
礼拝堂を出て1階に降りると、書店、応接間、そして多目的ホールがあります。
多目的ホールでは講演会や断食明けの食事会、チャリティー・バザーなどさまざまなイベントが行われます。
筆者が訪れたときはアラビア書道教室が開かれていました。ムスリムから日本の方まで幅広く参加されていました。あの美しい文字を自分の手で書けるなんて……ちょっと習いたくなっちゃいますね。
下山さんによると、トルコではモスクは社会の中核施設で、病院、学校、宿泊施設、食堂、公衆浴場などが併設され、人々の社会活動の中心となっているそうです。
同じように、東京ジャーミイもムスリムの人たちの社会生活や交流の場となっているそうです。
館内の至るところにチューリップをモチーフとした工芸品があります。それはチューリップの原産国がトルコだから。赤色が印象的なのでどのアートもおしゃれ。隅々まで見どころ盛りだくさんです。
腕利きのシェフによるトルコランチプレート
ランチタイムには、多目的ホールでトルコランチ(税込1,500円)が楽しめます。提供しているのは、水・木・土・日の週4日、お昼の礼拝の前11:00〜16:30の間。イスタンブールから来たシェフが腕によりをかけてつくるメニューは毎回異なります。
筆者が訪れた日のメニューは、右上から時計回りに「ピラフ」、「トマトとごまのオリーブ和え」、「牛肉となすの炒めもの」、「花嫁のスープ(レンズ豆入りスープ)」。
トルコ料理は世界三大料理のひとつですが、お肉料理が多く、素材を活かした味付けがポピュラーなので日本人にも馴染みやすいそうです。メニューが毎回変わるとなると……また来ないと!
ハラールマーケットで買うべきお土産3選
東京ジャーミイのお隣にある「トルコ文化センター」とは1階で行き来が可能なのですが、そこでぜひ訪れてほしいのが「ハラールマーケット」。
イスラム教において許されているものを「ハラール」と言い、ここではハラール食品を中心に海外からの食料品やトルコの雑貨が並んでいます。さらにショーケースには、調理室でトルコ人パティシエが手作りするお菓子も。
東京ジャーミイに訪れた日本人はここでお土産を買っていくべし。ということで、ハラールマーケット マネージャーのムハンマド・アディリさんにおすすめ商品ベスト3を聞きました。
バクラバ
まずはトルコの代表的なお菓子「バクラバ」。バターが練り込まれた薄いパイ生地を何層にも重ね、たっぷりのピスタチオやくるみなどのナッツとシロップを入れて焼き上げた甘いお菓子です。
パティシエ自らつくったものとお土産にぴったりの既製品どちらも販売しています。ぜひ自分用とお土産用にどうぞ!
いちじくジャム
マーケット内は日本のスーパーではあまり見ない食品が並びますが、とくにジャムは多種多様。カリンやサワーチェリー、ローズなど珍しい味も並ぶなか、ムハンマドさんのおすすめは「いちじくジャム」。
トルコはいちじくの生産量世界1位だそう!(知らなかった……)トルコが発祥の地と言われるヨーグルトと合わせて、おうちでトルコ風の朝食を楽しんでもいいですね。
デーツ
デーツはナツメヤシという高木の実。イスラム教の聖典クルアーンには「神の与えた食物」と書かれ、1ヶ月間日の出前から日没まで飲食を絶つ「断食」期間中は、日没後にデーツを食べる教えがあるのだそう。
自然の甘みがおいしく、さらに食物繊維豊富でその他の栄養素も高いため健康食としても人気です。産地によっても味わいが違うそうなので、いくつか食べ比べしてみてください。
異文化交流も楽しめる東京ジャーミイ
記事内の情報はすべて広報担当の下山さんから説明いただいたもの。とっても勉強になりました。最後にこれから訪れる人へ下山さんからメッセージです。
下山:トルコやインドネシア、アラブ、アフリカ大陸などさまざまな国の人が集まる人間交差点のような場所です。ぜひ見学だけでなく、アラビア語のあいさつ『アッサラーム・アライクム(あなたの上に平安あれ)』とまわりに声をかけながら人との交流も楽しんでくださいね。
スポット名 | 東京ジャーミイ・ディヤーナト トルコ文化センター |
住所 | 東京都渋谷区大山町1-19 |
開館時間 | 10:00〜18:00 ※金曜日の見学は14:30〜 |
定休日 | なし |
アクセス | 小田急線、東京メトロ千代田線:代々木上原駅から徒歩約5分 |
駐車場 | なし |
公式サイト | https://tokyocamii.org/ja/ |
※本記事は2023年8月26日時点の内容です
この記事を書いた人
下舘鈴音
カラデル編集部
caradel(カラデル)編集部エディター兼ライター。趣味はお笑い鑑賞、自慢は健脚。自分の五感で感じたこと、おもしろいと思ったことを、わかりやすい文章で届けます。